フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

3月のあおぞらレポート

寒くなったり、暖かくなったりするのが3月のお天気です。
びっくりするほど寒くなることもありますが、春を迎えて青空が広がり、ぽかぽかの陽気の中、今年も大倉山公園であおぞら色彩楽園がスタートしました。

公園での開催をお休みしていた冬の間に備品や画材を整えて、物もスタッフの気持ちも準備万端で迎えた今年最初のあおぞら色彩楽園には受付開始時間前には列ができ、「待ってたんです」と子どもたち、お父さん、お母さんたちが集まってくれました。
中でも、今月たくさん来てくれたのは、2〜3歳くらいの小さな子どもたちです。
絵の具をさわるのも初めての子たちが多く、絵を描くよりもボトルから絵の具を絞り出すことやパレットの上で水に溶かせたり、色を混ぜ合わせたりすることに夢中になる微笑ましい姿がありました。

fullsizeoutput_3fa小学2年生くらいまでは、この自由な絵の具遊びを思い切りやってもらうことがとても大切です。
せっかく「絵の具」という素晴らしいものに出会って、最初から「筆をしっかり洗って」、「あんまり混ぜちゃダメ」など「使い方」を守ることからスタートしてしまうと、楽しさを知る前に絵の具が嫌いになってしまいます。
まずは、好きなように絵の具と水を十分に味わってもらうことで、子どもたちは絵の具の感触を知り、水と混ぜた時の違いを知り、そして絵の具を混ぜ合わせたときに色が変わると言う衝撃にも出会います。
手でさわって絵の具の感触を知り、画用紙をさわって紙の感触を知り、イーゼルに立てた画用紙に絵の具をつけてみると、すーっと色水が流れ落ちて行くことにまた驚きます。
五感で絵の具を思い切り感じて、さわったり混ぜたり流してみたりして知的欲求を満足させて、脳は刺激を受けて快感情に満ちます。
また、これらを続けると、そのときの自分の気持ちにぴったりの色に出会います。
内面を表現する力を身につける第一歩です。

半裁サイズの画用紙に堂々と向き合い、作品を完成させた子たちがたくさんいました。
小学生までの小さな子たちからすれば、四つ切り画用紙の2倍のサイズに絵を描くことは、大人に置き換えれば畳一畳ほどの大きさでしょう。
それほど大きな画用紙に思い切り絵の具をぶつけるなんて、大人だったら怯んでしまうかもしれません。でも、まずはお父さん、お母さんが絵の具を使って気持ちのいい色をぬってみましょう。
きっとお子さんは、まねしたくなって、絵の具や絵筆に手を伸ばすでしょう。
そして、絵の具との楽しい出会いが始まります。
絵の具は心と脳を育てる、とても楽しい友だちです。

2月のあおぞらレポート〜春のスタートに向けて!

fullsizeoutput_3ce暖かくなったり、寒くなったり、少しずつ春が近づいてくることを感じながら、2月のあおぞらも1月に続いて大掃除をしました。いつも使っているブルーシートを拭きあげたら、あおぞらボランティアスタッフは汗だくです。
この日は予報よりも長く雨が降り続いていたので、倉庫の大掃除は少々やっかいでした。

今回のメインは絵の具の補充でした。
補充は毎月のことですが、昨年まで使っていた絵の具のボトルが夏の高温の時期には爆発して絵の具が飛び出したり、絵の具が出しづらかったりすることもあって、昨年の夏の終わりごろからずっとスタッフみんなで容器を探していました。 
秋が深まる頃にようやく子どもの手にもぴったりな容器が見つかり、みんなでとても喜んでいたのですが、口が小さいので補充をするときにとても時間がかかってしまいます。
公園での開催を終えた後、子ども家庭支援センター(ロータリー子どもの家)に戻って、画材や道具を整えて、工作材料など翌月の準備と絵の具の準備をすると、なかなか終わりません。

そこで、冬の間は大掃除に加えて、絵の具ボトルを再考することがスタッフ全員の宿題になりました。

今回の絵の具の問題だけでなく、あおぞらスタッフは子どもたちが自由にアートを楽しめるように考えることにとても熱心です。
毎月きちんと画材を揃えることはもちろん、材料の選びやすさや道具や材料、画材を使いやすいように、楽しめるようになど、常に「より良くしたい」という気持ちを持っているのがわかります。
子どもたちが楽しんでいる姿を見ると、本当に嬉しそうで、あおぞらスタッフの情熱の大きさがこの活動が継続できている何よりの原動力です。

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また、空き箱など、廃材は多くの方々のご協力によって実に様々なものが集まります。
参加してくれる方々はもちろん、公園の外にいる方々のご協力もあって、あおぞら色彩楽園は支えられています。

さて、宿題の絵の具についてはボトルを変更するのではなく、牛乳パックでじょうごを作って絵の具を入れてみることを試みました。
牛乳パックはコーティングされているので、絵の具が滑ってくれるのではと期待したのです。 

ドキドキしながら実験して見ると、おおっ!絵の具が入って行く!
それでも絵の具はどうしても色によって粘度が違います。
みんなで実験しながら色によってボトルに入れる方法もみつけて、絵の具の補充は速やかに終了しました。

絵の具が揃い、倉庫もすっかり片付いて、モノの準備はばっちりです。
さらに、いよいよ3月に迫ったあおぞらスタートに向けて、スタッフも開催が楽しみでたまらないようです。 
スタッフの気持ちも準備万端です! 

28年の時を経て〜変わらぬ大切なもの〜

 1月17日は防災とボランティアの日。
28年前に阪神・淡路大震災が起きた日です。
あの日も火曜日でした。

 

 当時、神戸で大きな地震が起きることを考えていた人は、おそらく少なかったと思います。
地震に対する備えなども子どもの頃からあまり聞いたことはなかったし、 どこか、関東や東海のイメージがありました。
「まさか!」という想いは、きっと多くの人の中にあったでしょう。
ですから、「なに?なにが起きたの?」と戸惑う時間も長かったかもしれません。

 あの日は生まれて初めて「あ、今、死ぬんだ」という感覚を経験しました。これは、あの日以外に経験したことはありません。


 繰り返される余震は、また大きな揺れが来たらどうすればいいのかと思わずにはいられませんでした。
寒い日でしたが、玄関や裏口を開け放して、外に出かける時と同じコートを家の中で着て、テレビのニュースに釘付けになりました。
夜になると、当時家にいたネコがあの日だけベッドに潜り込んできました。

あの日のことは今でも当時と同じように話すことができるくらい記憶は鮮明です。

忘れるわけがありません。

あの日は過去のことになっているようで、なっていないのかもしれません。


 あの日、私たちは、たくさんの尊いものを失いました。
今なお、あの日のことを受け止められずにいる方もたくさんいらっしゃいます。

 しかし、あの日から28年生きてきた私たちは、多くの新しいものも生み出し、得てもきました。

生活を立て直すパワー。

「ボランティア」は「普通のこと」に。

様々なつながり。

災害に強い街をつくりたいという想い

地震への備え。

そして、一人ひとりの命、その存在が何より大切だという想い。


自然災害などで被災した子どもの心のケアの基本もその一つです。

命の重さをあれほど感じた日はありません。

無事でいることが、どれほど嬉しく安心できるのかをあれほど感じた日はありません。

1月17日は、そういう日です。
 

避難所2-1 この写真は避難所で絵を描く子どもたち。夢中で絵を描く子どもたちに明日への希望をもらいました。
 

 神戸に暮らす私たちにとって、1月は命を想う月です。

ギャラリー
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  • 子どもたちからのギフト
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  • 夢中で壊す
プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;