フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

4月のあおぞらレポート~あおぞら色彩楽園スタート!

春です!公園にあおぞら色彩楽園が戻ってきました!

久しぶりの公園での開催にあおぞらスタッフもソワソワ、ワクワクしながらアートスペースの設営を完了しました。

受付が始まると、待ってくれていた子どもたちや、「今日は練習がなくて遊びに来た」と言うバスケットボール部の女の子たちが「こんにちは!」と来てくれました(4月20日/大倉山公園)


CIMG0117公園での開催は久しぶりでしたが、この日も夢中で工作に取り組む子や、一心不乱に絵の具を手にぬる子、「バスケ部はアートだ!」と楽しむ子たちの姿が見られました。

スタートしてしばらくすると、子どもたちはそれぞれ目の前の作品に没頭して、あおぞらアートスペースは静まり返り、30名の子どもが集まっているとは思えないくらいの静かなな空間になりました。

こういうときの静けさに緊張感はありません。

実に穏やかな空気が漂っていました。

色彩楽園の子どものアートクラス、アトリエもそうですが、開始後しばらくするとアートスペースはとても静かになります。

子どもたちが自分の作品、すなわち自分自身と向き合い、自分のアートの中に潜って「自分」に浸っていると、とても静かになるのは、いつものことです。

こんなとき、大人の声掛けは必要ありません。

大人たちは子どもがやろうとしていることを全力で手助けするだけです。


新学期が始まったばかりの4月の子どもたちはエネルギーが高く、はりきりモードです。

ワンステップ上がった新しい環境に自分の成長を感じて、120%のスタートダッシュを見せてくれる子もいるし、しずかにパワーを爆発させている子もいます。

この、はりきりモードはいつまでも続くわけではないので、明日からしばらくの間お休みに入ることは良いタイミングでしょう。

特に小学1年生は3月から4月になっただけで、とてもお兄さん、お姉さんになったように周囲も感じます。

でも、まだまだ新しい世界に飛び込んだばかり。

緊張と戸惑いの毎日です。

明日からのお休みは、1年生になる以前のようにしっかりおうちの人に甘えてエネルギーを充電してください。

くますけがひもとく色彩楽園30年〜子どもたちの声から生まれたあおぞら募金

くまものがたりロゴ7

こんにちは!くますけです!

新学期が始まったね!新しい教室や新しいお友だちなど、新しい日が始まっていると思います。

あおぞら色彩楽園も4月からスタートしたよ!


みんなも知っている通り、月に一度の公園のアートスペース、あおぞら色彩楽園はあおぞら募金によって運営・開催しています。

今はぼく、くますけの募金箱が受付に座っているよ!

募金箱のくますけが持っている旗は毎月変わってるんだよ。


この、あおぞら募金は30年前にスタートした時にはありませんでした。

スタートから10年以上募金を集めることはなかったんです。

ところが、150名を超える多くの参加者を迎えた2008年4月、受付にやってきた男の子が手の中のコインを見せて、「これ、募金します!」と言ってくれたんです。

まさか、そんな申し出があるとは思っていなかったので、藤井さんはとても戸惑ったらしいですよ。

でも、「ありがとう!」と言って、とりあえずは近くにあった空き箱にコインを入れました。

すると、その後にやってきた子どもたちも「募金します!」と言って、箱の中にコインを入れてくれました。

そのときのことを藤井さんに聞いてみました。

「本当にもうびっくりしたよ!あまりに戸惑ってしまって、少しの間どうしたらいいかわからなかったくらい。
でも、同時になんてありがたいこと!と感謝でいっぱいでした。
だって、あおぞらの開催を応援してもらっているわけだし、ということは、楽しんでもらっていることでもあるし。

しかも募金を申し出てくれたのが子どもたち!

やっぱり、心を元気にしてくれるのは子どもたちなんだと改めて思いました」。


P1090097あおぞら色彩楽園は30年前から参加無料ですが、この日を境に受付に募金箱を置いて、参加者に協力をお願いしました。

絵の具や画用紙など画材の購入は、あおぞら募金を役立てています。

みなさんからの募金がなかったら、あおぞら色彩楽園は続いていなかったでしょう。

また、あおぞら募金は、あおぞら色彩楽園の開催だけでなく、自然災害などで被災した子どもたちのケア活動にも役立てられていて、さまざまな地域の子どもたちを支えています。


子どもたちの声から生まれた、あおぞら募金。

あおぞら色彩楽園は、単なるおえかきイベントではなく、参加者やつながっている方々など、多くの方々に支えられているアートのムーブメントだと思っています。

新しい世界はみんなを待っている!

 2024年度の6年生卒業制作はRくんがチャレンジしました。
低学年の時は立体物をつくるのが好きで、難しいビー玉迷路などに何度もチャンレンジしていたRくんです。
とても優しくて、誰かのことを悪く言ったりすることは聞いたことがないし、描くことに集中していても、年下の子どもが困っていると必ず助け舟を出してくれました。
子どものアートクラス・アトリエの卒業制作は必ずやらなければいけないものではありません。
しかし、これままで最も大変な作品にチャレンジできる機会であること、やってもいいし、やらなくてもいいと相談してみると、いつも静かなRくんが「やる」と力強い返事をくれました。

 Rくんが選んだテーマは大好きなドラゴンボールでした。
これまでも何枚も描いてきたキャラクターです。いつもRくんが選ぶのはゴクウが戦っているシーンが多く、卒業制作に選んだのも、やはり戦っているシーンでした。
これは6年間の小学校生活を戦ってきたことが表れているのでしょう。そう思わずにはいられないテーマの選択でした。
戦うキャラクターを描き続けて「戦っていること」を表現し、戦い抜くことができたのかもしれません。

 B3サイズのイラストボードに描かれた、この絵はとても多くの手間がかかっており、本当に根気よく取り組まれたものです。
元々粘り強く取り組めるところがRくんの武器でもありましたが、最後となった作品でも、その力を十分に発揮してくれました。
きっとこれからも、この作品のように大きな敵に立ち向かっていくことでしょう。

CIMG0735


 小学3年生から中学3年生まで通ってくれたIくんも入学試験を突破して高校生になり、今春アトリエを卒業しました。
Iくんは自分が夢中になれるものをみつけて高校を自分で決めました。最後のアトリエでお母さまから手紙をいただきましたので、一部をご紹介します。

「アトリエに通うようになってからは毎日のように家でも何かを作り、新しいものを生み出していました。

飽きることなく毎日です。(中略)おそらくIが作った作品は1,000点以上。Iが創り出した作品は、その時のIの心の中にあるもの、感情がそのまま乗ったIそのものだったんだろうと思います。

 この作品創りがあったから、今のIがある。創ることで自分の感情を出し、自分を表現する。Iの心の安定はここにあったんだと思います。

今のIを作ったのは作品創りだと思います」


 Iくんは自分の道を自分でみつけて、その世界に自ら飛び込むことを決めました。
RくんもIくんも夢中になれるもの、やらずにはいられないことを自分でしっかりわかっています。
誰かに言われて仕方なくやることではなく、能動的に取り組むことができるものを持っているのです。この、能動的に取り組めるものこそがその人にしかない能力が発揮できるものだと思います。

 

 子どもたちは、みんな自分だけの表現方法を持ってアトリエを飛び立ちました。
新しい世界でも感じたこと、考えたこと、やってみたい気持ちなど自分の中にあるものを大切にしてほしいと思います。

 そして、新しく仲間になった子どもたち、ようこそ!
アトリエという空間もみんなのことを待っていました。やってみたいことにどんどんチャレンジして下さい。
 木々が芽吹き、花が開き、生きとし生けるものが活動を始める春には、まるで大地自体が深い眠りから覚めてくるかのような、生のエネルギーが満ち溢れているのを感じることができます。
子どもたちのエネルギーも高まる4月。期待でいっぱいの春です。

ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;