フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

8月のあおぞらレポート〜夏の遊び方を新しく

ようやく朝は、暑かった夏が少しずつ遠ざかっていく気配が出てきました。

子どものころは夏休みと言えば、海や山、プールに虫取り、花火にお祭りなど楽しいことがたくさんありましたが、今の夏はずいぶん様変わりしています。


DSCF004210年ほど前までは、8月にはあおぞら色彩楽園いちばんのイベント、思いっきりおえかき大会を開催していました。
大きな画用紙やダンボール箱に画用紙を貼った立体画用紙をいくつも作り、絵の具屋さんもいつもよりバージョンアップさせて、まさに「大会」でした。

子どもたちはダイナミックに絵の具を楽しみ、色水を撒き散らして、太陽の下で元気に暴れて、夏を満喫していました。



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ところが、今は夏休みの日中に外で遊んでいる子どもを見かけることはありません。
公園にも子どもの姿はなく、静まり返ってジリジリと照りつける太陽がまぶしいだけです。
すべり台や鉄棒はうっかり触ると火傷しそうなくらいの高温になっていて、確かにこれでは遊べません。

熱中症警戒アラートが発出されると、外で遊ぶことを禁止してい園や学校も増えるばかりです。

おえかき大会を開催していたあおぞら色彩楽園も、今年からとうとう8月は公園での開催を休んで、スタッフ研修に切り替えざるをえませんでした。


以前は夏休みといえば、網を持った子どもが虫取りをしている姿があちこちにありました。
夏ならではの外遊びが思い切りやれるのが夏休みでした。

その頃は今のように子どもは常に水筒を携行しているわけではなく、家に帰って冷えた麦茶を飲み、また外に遊びに出かけていっていました。

しかし、今は熱中症のリスクも高く、水筒を持っていないと安心できません。
今や夏は日中に外に出ることは危険という呼びかけも当たり前になっています。
暑さだけでなく、線状降水帯という言葉が耳慣れてきたのも、ここ10年くらいでしょう。

この夏の雨の量、降り方は、これまでの経験や知識をひっくり返してしまっています。

地震や津波だけでなく、暑さや雨にも命の危険がある時代になったと言えるでしょう。。


DSCF0050子どもたちを取り巻く環境は、とんでもなく大きく変化しています。

環境が変われば夏の過ごし方も変わりますし、子どもの健康の支え方も変わります。

それでも、子どもにとって夏ならではの体験は大切です。

あおぞら色彩楽園も、これまでとは違う安全で楽しい夏ならではのアートを経験する方法を考えていかないとなりません。

あおぞら色彩楽園も何年続いても新しい課題が常にあります。
この山をまた一歩ずつ進んで登っていかないといけない。
そんな思いが残った夏でした。

あおぞらレポート〜2026.7 ほんとにいいのかな?

本当に今年の暑さは厳しいです。7月のあおぞら色彩楽園は熱中症警戒アラートが出されたため、屋内での開催となりました(7月19日 神戸真生塾子ども家庭支援センター)


CIMG2937初めて参加してくれたSちゃんとKくんの姉弟は、はじめはちょっぴり緊張した様子でした。

それでも、「これがしたい!」とKくんは大きな画用紙に絵の具をぶつけ始めました。
さまざまな色が混ざって深みのある黒が広がる作品に取り組んでいたKくんは時間が経つにつれて、のびのびとした様子で作品はダイナミックな表現になっていきました。

お姉ちゃんのSちゃんはと言えば、選んだぬりえを色鉛筆で時間をかけて、とても根気良くぬっていました。時々声をかけると、黙って頷いてくれます。

けれども、Kくんの様子が気になって仕方がないようで、「あんなふうに絵の具を使っていいの?」「形がなくてもいいの?」「ちゃんとやらなきゃ、ダメじゃない?」とでも言いたいように見えました。

使いたい色をぬりつくしたKくんはSちゃんがいた場所に行って、同じようにぬりえに色をぬり始めました。その後、気がつけばSちゃんは大きなおえかきボードの前に座って絵の具をさわり始めてニコニコしていました。


きょうだいでの参加の場合、弟や妹が自由に表現している姿を見て、お兄ちゃんやお姉ちゃんがようやく本当にやりたいように取り組む姿が見られることは珍しくありません。

画材や道具、工作材料を使いたいように使っても、形のない作品になっても注意を受けない、むしろ褒められたり、面白がられたりしているのを見て「いいのかな」と思い始めて、恐る恐る自分もやってみます。すると、やはり褒められたり、面白がられたりするので、やっぱり、やりたいようにやってもいいんだ!と確信を持って、ようやく自由になります。こうしたときは弟や妹が良いモデルとなっています。


自分のスタイルで表現すること、表現したものが受容されることが確認できると、子どもたちは自由になって、一層力を発揮してくれます。

8月はスタッフ研修のため、あおぞら色彩楽園はお休みします。

9月になったら、また自由なアートスペース「あおぞら色彩楽園」へどうぞ!

厳しい暑さの夏休み、みんなどうぞ安全で楽しい夏を過ごしてね。

夏のアート講座2026〜OKが子どもを大きくする!

厳しい暑さが続く中、今年も大阪医科薬科大学LDセンターで恒例の夏休みアート講座を開催しました。(2026年7月20日)


センターの中に作ったアトリエに集まった子どもたちは緊張しています。保護者の方々も同様です。

まずは講座の説明から始まり、「今からここで遊べるんだけど、お約束があります」と言うと、子どもたちの顔にはまた少し緊張感が浮かびました。


「すきなものを描くこと、つくることーOK!」


この最初のOKに始まって、いくつものOKの確認が進むに連れて、子どもたちの表情からは緊張感が消え、笑顔が浮かび始めました。

色彩楽園のアートプログラムには、いつでもこれらのOKがあります。災害で被災した子どものケアでも、あおぞら色彩楽園でも、どんなときも子どもたちと約束しているOKです。


スタッフのKさんは「約束やルールっていうと、どこでも禁止事項、NOになりますよね。OKの約束なんてないから、ちょっとびっくりするし、嬉しくなりますよね」と、OKの約束が子どもたちがのびのびと表現するためにとても大切なものであることを実感しているようでした。

確かにルールと言えば、交通ルールでもスポーツのルールでも「禁止」や「~でなければならない」というものがほとんどです。いえ、もはやすべてと言ってもいいかもしれません。学校での約束事も同様でしょう。


260720-7OKされることを確認した子どもたちは自分だけのアートに夢中で取り組みました。
自ら取り組んでいるときは、それぞれが持っている能力を発揮します。ベルトコンベアーを目指す形で作り上げたOくんからは思わず「よっしゃ!」とガッツポーズが出ました。このとき脳は快感情に満ち、心は解放されていたでしょう。

用意していた時間は足りず、終了時間だと知って不満気な子どもたち。その様子を見て驚きを隠せない保護者の方々。アート講座では、保護者がこれまで知らずにいた子どもの一面に出会うことがよくあります。

いつもとはまた違った子どもたちの表情や様子を見て、LDセンターのM先生は「色彩楽園マジック」と称してくださいました。


260720-6集団でのプログラムでは、往々にして子どもたちは知らず知らずのうちに「否定されないこと」、「指導者が用意したレールから外れないこと」を選択しています。
描きたいものを描きたいように描くことも、失敗もすべて受容される体験は極めて少ないように思います。
子どもの心の中にあるものが表現された作品はどれも子ども自身ですから、作品が受容されることは、すなわち子どもが受容されることに他なりません。
OKは子どもが受容されることを確認するための大切な約束です。


時間が足りないくらい楽しいアートは、とても充実した時間になりました。

参加してくれた子どもたちは、今年もまたそれぞれの力を発揮してくれて、びっくりさせてくれました。ありがとう!また遊ぼう!


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ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;