9月も屋内開催となりました。
5歳のHちゃんは初めて「あおぞら色彩楽園」に遊びに来てくれました。
受付で好きな絵を描いていいこと、好きなものをつくっていいこと、好きな色をぬっていいことを伝えると、じっと聞いていましたが、最後に「で、失敗OKです!」と伝えると、驚いたような、戸惑ったような、なんとも言えない表情を浮かべていました。
すかさずお母さんが「失敗がダメなんです。ものすごくイヤなんです」と教えてくれました。

受付では「工作する!工作大好き!」と言っていたHちゃんでしたが、工作コーナーのあおぞらスタッフに「後でちゃんと行くから!」と気を遣ってくれた後、まず、絵の具屋さんに行き、おえかきボードの前に座りました。
Hちゃんが描いたのは大きな大きなリンゴです。
絵の具が楽しくてたまらないようで、絵の具を水で溶いたり、ローラーを使ったり、じっくりと作品に取り組みました。
思わず「わ!大きなリンゴだね!」と声をかけると、「リンゴたろうの家!」。
どうやらHちゃんの中では、絵を描きながら想像が膨らみ、物語が生まれて、おはなしが展開していくと同時に絵も変化を見せて、同時にどんどん楽しくなっているようでした。
失敗がイヤ、悔しいというのは、とてもすばらしいと思います。
失敗した時の悔しい想いは次にがんばる原動力になるでしょうし、悔しいと思うほどがんばったということでもあるでしょう。
あまりがんばっていなければ、悔しくもなんともありません。
また、失敗してもなんともないというのも心配です。
成長と共に悔しい気持ちを持ちながらも、失敗や負けを受け入れることもできるようにもなっていきます。
しかし、実にたくさんの子どもたちが失敗はダメなことと思っているように思います。
失敗して悔しい!次は成功したい!がんばる!という経験は、とても大切です。
失敗の経験があれば、失敗した人の気持ちを自分のことのように想像できるでしょうし、誰かの失敗を受け入れる、カバーしようという気持ちになることにもつながるでしょう。
Hちゃんはりんごの絵を描いた後、工作コーナーに座り込んで、終了まで2時間もの間集中していました。
「あおぞら色彩楽園」は、子どもたちの「失敗はイヤ」という気持ちを共に感じつつ、次のチャレンジを喜び合い、讃え合う場でありたいと思っています。