厳しい日差しが照りつけているかと思えば、東北では大雨。
連日熱中症警戒アラートが発出され、気温の上昇は止まりません。
体調管理が一層難しい毎日ですが、アトリエにやってくる子どもたちは6月の疲労を乗り越えて、元気を取り戻してきています。
新学期の緊張と、知らず知らずのうちにがんばりすぎてしまったこともあって、5月の終わりごろから疲労が見え始め、6月には隠せないほどの疲労になります。
子どもたちはあまりに疲れていて、集中できなかったり、「つくりたい」意欲もわきませんから当然面白くありません。
それらが一層拍車をかけて、疲労はピークに達します。
しかし、7月に入ると、子どもたちは日焼けして少したくましくなったように見えます。
加えて、6月に見せていた疲労は落ち着き、ぐんと成長したように感じます。
6月のように心が疲労している時の子どもは本当にめちゃくちゃで、矛盾だらけで、理にかなっていません。
「やりたい!」と言って、用意しようとすると「やっぱりやめる」、「やっぱりやる!」と、ひとしきり行ったり来たりしたり、切ったり削ったりするだけで終わったりします。
ある日のアトリエで小学1年生のAちゃんは「つくりたいのに、つくれない!」と言って怒っていました。
お兄ちゃんにちょっぴり意地悪をしてみたり、「そんな色じゃない!」と言うけれど使ってみたり、楽しみたいのに楽しむパワーがダウンしていることの苦しさが伝わってくるものでした。
こんなときによく出てくるのがちょっぴり怖い作品です。
お兄ちゃんや他の子どもと一緒に描いた鋭い目つきの「不審者」は、その手に刃物を持ち、それは血で染まり、横にいる人が血を流して倒れています。
そうした怖いものを描きながら声をあげて笑うのも、ほぼ共通しています。
子どもたちが流れる血を描く時、大抵は深い疲労で心が重いときです。
絵を描くことで心に抱えた苦しいものを吐き出す作業なのです。
最後には「せんせい はんにん」の絵も登場しました。「なんだってー!」と羽交い締めにすると、もう嬉しくて「あははー!」と笑いも止まりません。
苦しいものを絵で吐き出し、それが受け止められて、帰る時には「あー!楽しかった!」と言って足取りも軽く階段を下りていきました。
子どもたちは実に大きい回復力を持っています。
夏休みはエネルギーをしっかり充電してください。