フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

回復するパワーも大きく

IMG_4266 厳しい日差しが照りつけているかと思えば、東北では大雨。
連日熱中症警戒アラートが発出され、気温の上昇は止まりません。
体調管理が一層難しい毎日ですが、アトリエにやってくる子どもたちは6月の疲労を乗り越えて、元気を取り戻してきています。


 新学期の緊張と、知らず知らずのうちにがんばりすぎてしまったこともあって、5月の終わりごろから疲労が見え始め、6月には隠せないほどの疲労になります。
子どもたちはあまりに疲れていて、集中できなかったり、「つくりたい」意欲もわきませんから当然面白くありません。
それらが一層拍車をかけて、疲労はピークに達します。

しかし、7月に入ると、子どもたちは日焼けして少したくましくなったように見えます。

加えて、6月に見せていた疲労は落ち着き、ぐんと成長したように感じます。


 6月のように心が疲労している時の子どもは本当にめちゃくちゃで、矛盾だらけで、理にかなっていません。
「やりたい!」と言って、用意しようとすると「やっぱりやめる」、「やっぱりやる!」と、ひとしきり行ったり来たりしたり、切ったり削ったりするだけで終わったりします。


 ある日のアトリエで小学1年生のAちゃんは「つくりたいのに、つくれない!」と言って怒っていました。
お兄ちゃんにちょっぴり意地悪をしてみたり、「そんな色じゃない!」と言うけれど使ってみたり、楽しみたいのに楽しむパワーがダウンしていることの苦しさが伝わってくるものでした。


 こんなときによく出てくるのがちょっぴり怖い作品です。
お兄ちゃんや他の子どもと一緒に描いた鋭い目つきの「不審者」は、その手に刃物を持ち、それは血で染まり、横にいる人が血を流して倒れています。
そうした怖いものを描きながら声をあげて笑うのも、ほぼ共通しています。
子どもたちが流れる血を描く時、大抵は深い疲労で心が重いときです。
絵を描くことで心に抱えた苦しいものを吐き出す作業なのです。

 最後には「せんせい はんにん」の絵も登場しました。「なんだってー!」と羽交い締めにすると、もう嬉しくて「あははー!」と笑いも止まりません。
苦しいものを絵で吐き出し、それが受け止められて、帰る時には「あー!楽しかった!」と言って足取りも軽く階段を下りていきました。


 子どもたちは実に大きい回復力を持っています。

夏休みはエネルギーをしっかり充電してください。

7月のあおぞらレポート

101_0592とんでもない暑さが続いています。
夏休みに入ったばかりの7月のあおぞら色彩楽園は、兵庫県に熱中症警戒アラートが発出されて屋内開催を余儀なくされました。
昨年までは、まだ新型コロナ感染症対策のために体育館の使用が難しく、アラートが発出されると、やむなく開催を中止していましたが、今夏から熱中症警戒アラート発出による屋内開催が始まりました。
熱中症の危険は子どもたちだけでなく、保護者やスタッフにもその可能性があります。
さらに最近の暑さは、ことのほか厳しく、特に今年は126年間で最も暑い7月になりました。
年齢を問わず、こまめな水分補給やエアコンの使用は当たり前になり、10年くらい前の夏を思い出しても大きく様変わりしています。

あおぞら色彩楽園の夏も大きく変わりました。
以前は夏になると、色水を撒き散らしながら元気に走り回る子どもたちの姿がそこここにあり、8月は「おえかき大会」が恒例でした。様々な事情から「おえかき大会」は2015年を最後に実施していませんが、今では夏になると公園で開催すること自体が難しく、暑さの影響がここまでになるとは、さすがに予測できていませんでした。

あおぞら色彩楽園は、その名の通りあおぞらの下での開催なので、こぼしたり汚したりを気にすることなく、思い切り絵の具を楽しめることが魅力の一つです。
しかし、作品に表れる子どもたちのパワー、エネルギーの高い取り組み、時間を追うごとに解放されていく姿には屋内外を問わず、出会うことができます。
すべての子どもたちに本当に感謝です。

夏の暑さの厳しさは、おそらくこの先も続くのではないかと思います。
夏は屋内開催が通常となることを前提に、これまで通り子どもたちに思い切り楽しんでもらえるように、また、屋内の長所を最大限に引き出せるように、「あおぞら」を新しい、そして一層大きな姿にしようとスタッフ全員で取り組んでいる最中です。

今日8月7日は立秋です。
とは言え、厳しい暑さはまだまだ続きそうです。
みなさま、どうぞ健康に夏をお過ごしください。

夏休み!

雨が少ない梅雨のようです。梅雨明けはまだなのに、びっくりするような厳しい暑さが毎日続いています。
5~6月と疲れが見えていた子どもたちは、少し回復傾向のようです。


夏休みに入れば、まずはやれやれ。大変な一学期をがんばりきりました。
長い夏休みに何をしようか、それぞれ思いを巡らせていることでしょう。

しかし、「ヒマ~」、「どこかへ行きたい~」と言い始めたらどうしましょう?


夏休みは生活リズムやスケジュールを自分で管理するチャンスです。
普段とは違って、たくさんある時間を自分でどう使うか、何をたっぷりやりたいか、聞いてみましょう。
ここで大事なことは、突拍子も無いことを言い出したとしても、「できるわけないでしょ!」と一蹴しないことです。即座に「ダメ」を出されると、子どもは「どうせダメって言われる」ことを覚えてしまいます。
「そんなことがやってみたかったんだ」と気づくことができるチャンスでもあるし、それを実現できないか、一旦考えてくれているとわかると、たとえ実現しなくても「どうせ」と考えず、別のチャレンジを探してくれます。


しかし、最近の夏の暑さはこれまでとは比べものになりません。
「何をやるか」よりも夏中健康に過ごすことが最大のテーマかもしれません。
まずは生活リズムを崩さないこと、しっかり寝て、しっかり食べて、しっかり遊ぶことが最も重要なことかもしれません。

でも、たまには普段はOKできないことをOKしてもらえることも夏休みの魅力ですね。


そして、家事もしっかりお手伝いしてもらいましょう。
できることを任せられることは、とても大切なことですし、家事はとても大切な生きていく上でのスキルです。

暑くなりそうな夏休み。どうぞ安全に過ごすことができますように。

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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;