この冬は本当に冷たい日が多かったようですが、ようやく春がすぐそこまでやってきました。
冷たい冬の後の春の訪れは本当に嬉しいものです。
寒い季節になると、インフルエンザが流行するのはいつものことです。
しかし、今年は昨年に続いて新型コロナウィルスの感染が予想をはるかに超えて拡大しました。
特に子どもの感染者は多く、あちこちで学級閉鎖が起こりました。
身体に異常がないのに外出できないことは、子どもたちにとって本当に苦しい日々です。
子どものアートスペース、アトリエが目指しているのは、「健康でいること」です。
身体的も精神的も社会性も知的にも情緒的にも健康でいてほしいというのが開設から変わらない願いです。
言うまでもなく、健康とは単に病気やケガをしていないということではありません。
楽しくて心から笑う、突然のアクシデントに見舞われて不運なできごとに遭遇した人を気の毒に思う、体験したことがないことも「やってみたい!」とチャレンジする意欲があるなどなど、気持ちが充実していることも大切ですし、子どもであれば、順調に体重や身長が増加することや内臓の力が強くなること、様々な調節機能が発達することなども大切です。
そして何より、その子がその子らしくあること、持っている能力を発揮できる状態こそが健康であると言えます。
ですから、年齢により、また病気や障害の有無などにより「健康」の姿は異なります。もし、脚に障害があって自力で歩くことができないとしても、楽しい毎日を送り、その人が持っている力を発揮できているなら、その人は健康だと言えるでしょう。
この新型コロナウィルスの感染拡大は、これまでの多くの「当たり前」をひっくり返しましたが、同時にこれまでの「当たり前」は、やはりとても大切であることも表したように思います。
早寝早起きしてぐっすり眠ること、様々な食材を食べて規則正しく三食を楽しく摂ること、遊ぶこと、学ぶこと、お手伝いすること、笑うこと、泣くこと、お友だちと関わること、時には甘えること、学業や仕事に集中して取り組むこと等々、生活の中の全てが子どもの健全な発育を支えます。
免疫力を高めて体を強くするのも、これら「当たり前」の積み重ねです。
つまり、きちんと「生活すること」が子どもの健康を支えます。
そして健康であることが、それぞれが持つ能力を伸ばし、個性を輝かせるのです。
健康であることは、その子が最もその子らしくある状態です。
感染症の心配がなくなることがなかなか見えない今、基本の生活の大切さを見直して、新しい世界を迎える春になってほしいと願っています。