暖かい11月でした。
「あおぞら色彩楽園」の第3日曜日も外に出たくなる暖かい一日で、色づいた木々に囲まれたアートスペースに約120名の親子が集まりました(11月17日:大倉山公園)
実習生も大活躍
毎年11月は関西学院大学人間福祉学部の学生たちが実習に来ます。
朝から基礎研修のレクチャーを受けて、午後は実際に公園で子どもたち、保護者の方々に関わり、後片付け、ミーティングまでを体験します。今年も元気な2年生二人が実習に来てくれました。
この日は多くの参加者があり、実習生もスタッフもフル回転。
実習生たちは公園に到着した時から「おんぶして」「だっこして」とリクエストする子どもたちに一生懸命応えてのスタートになりました。
このとき、実習生たちに伝えたのは「リクエストに応えきろう」ということです。
「おんぶして」は、一度、二度とおんぶして終わりにはなりませんでした。
どうやら挨拶代わりの「おんぶして」ではなさそうです。
ならば、と「もうおんぶはいい」と 子どもが「いうまでリクエストに応えきることにトライしてもらいました。
「もうたくさんおんぶしたから、これくらいでいいだろう」という大人側の物差しではなく、「十分おんぶしてもらった」という子ども側の物差しでリクエストに応えることを体験してもらったのです。
階段を登っていく子どもたち
「おんぶして」は阪神大震災のときのことが思い起こされます。
子どもたちと信頼関係を築き、おんぶやだっこの要求を経て、色や形で想いを表すまでに半年ほどの時間がかかりました。
この日「おんぶして」とずっとくっついていた男の子たちも、やがて自然と一人でおえかきボードの前に立ちました。
作品は「何が描いてあるか」はわからないものでしたが、色で表現するステップに自分の力で上りました。
もちろん、これには実習生たちが1時間以上続いたおんぶの要求に応えたことも力となったでしょう。
特に毎月のように継続して来てくれている子どもたちは、確実に変化を見せます。
ありったけの絵の具をしぼって水浸しにしていたNちゃんも、「絵も工作も大嫌いでした」とお母さんから聞いたKくんも、心に抱えたものを外に向かって表現し、そのときの行動や作品が受容される体験を重ねて、じっくりと作品と向き合って、取り組む姿へと変化を見せました。
そのときにやらずにはいられないことをやりきることはとても大切です。
やりきった後、子どもたちは階段を駆け上がります。
毎月応援していただいている(株)デザインアーク様より、11月も工作画材などを贈っていただきました。
いつもありがとうございます。