11月にしてはとても暖かく、すっきりと晴れた日曜日。
この日は入場を断念して帰って行った子も何人かいました。
今年最後の開催には多くの子どもたちが集まってくれました。
今年は、あおぞら色彩楽園25周年。
昨年からスタッフみんなで、どんなイベントを開催しようかと楽しみにしていました。
ところが、2月からどう対応していいのかわからないニュースが連日流れました。
新型コロナウィルスの感染拡大です。
わからないまま春を迎えましたが、ウィルスの拡大はいっこうに収まらず、子どもたちは長い間学校に行くこともできませんでした。
あおぞら色彩楽園も泣く泣く開催を中止しました。
いつもなら、春の再開を待ってくれている子どもたちに会えることを楽しみにしていますが、もうどうしようもありません。
震災後のライフラインが分断された中でも「おえかき」は続けることができたのに、初めての事態です。
外出も自粛要請が続き、苦しい思いをしている子どもたちに、4月は1ヶ月間毎日ぬりえを届けました。
あおぞら色彩楽園が再開できたのは6月です。
このころはまだ恐る恐る来てくれていた子どもたちも、11月になれば手の消毒にもマスクにもすっかり慣れて、また以前のように公園には多くの子どもたちが元気に絵を描く姿がありました。
しかし、いきなり何もかも元どおりというわけにはいきません。
密接・密集を避けるために、今年はあおぞら史上初めて参加人数の制限を行いました。
これまで、25年間「あおぞら」は来てくれた子どもすべてを受け入れてきましたので、これには私たちスタッフも大きな違和感がありました。
アートスペースも、できるだけ距離を保つことができるよう、毎回工夫を重ねました。
こうして、25年続けてきた「あおぞら」とは違う、新しい「あおぞら」で子どもたちを迎えましたが、これは大きなジレンマを生みました。
こうして、25年続けてきた「あおぞら」とは違う、新しい「あおぞら」で子どもたちを迎えましたが、これは大きなジレンマを生みました。
受付人数が25名に達すると、一旦受付をお断りして、退出する子どもが出ると入場してもらうようにしたのですが、待ってくれている子どもたちは、なかなか入場できません。
特に11月は多くの子どもが集まり、待っていても入場できそうにないことを伝えると、受付で泣き出す子がいたくらいです。
また、長い時間待って、ようやく入場できた子どもたちには遊ぶ時間が短くなってしまうという、これまで「あおぞら」が大切にしてきたことが大きく崩れかねない事態を招きました。
あおぞらスタッフ全員、来てもらった子どもたちみんなに心ゆくまで楽しく遊んで帰ってもらいたいと思っています。けれども、そうしてしまうと密接・密集を生んで安全の確保ができないという、実に苦しいジレンマです。
どの子どもたちにも思い切り絵の具を楽しんでもらいたい、工作に夢中になれる環境を提供したいと思って、「誰でもどうぞ!」と25年間続けてきたのに、それがどうにもならなくなりました。
どの子どもたちにも思い切り絵の具を楽しんでもらいたい、工作に夢中になれる環境を提供したいと思って、「誰でもどうぞ!」と25年間続けてきたのに、それがどうにもならなくなりました。
この日は入場を断念して帰って行った子も何人かいました。
おそらく、遊び足りなかった子もいたでしょう。
感染症の拡大を防ぐために、こんなところにまで影響があるかと思うと本当にやり切れません。
しかし、こうした状況だったにもかかわらず、混乱やトラブルがなかったことには心から感謝をしています。
多くの子どもたちを受け入れられないことは、ウィルス感染の収束が見えない今の状況ではどうしようもありません。
それでも、何かもっと工夫できることがあるはずです。
いえ、必ずあります。
今月も子どもたちは、実に元気に、自由に、表現を楽しんでくれました。この姿に私たちは、いつも回復させてもらっています。
次の開催は来年春です。
今年の経験を生かして、もっと工夫をして、安全で、できるだけ多くの子どもたちを迎えることができるよう、スタッフ全員で知恵を絞ります。
今年もあおぞら色彩楽園に遊びに来てくれて、ありがとう!
次の春は、今年よりさらに新しい「あおぞら」で子どもたちを迎えたいと思っています。
春まで、みんな元気で!