フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

2021年08月

7月のあおぞらレポート

7月は、とてもゆっくりとスタートしました。
昨年から増えたのが、小学校低学年くらいまでの子どもたちです。
7月の1年生は1学期をがんばりきって疲労もピークでしたが、絵の具をたっぷり絞り出して、心に抱えた疲労を少し吐き出してくれたようでした。
心が疲れているとき、作品はなかなか形になりません。
でも、自分のペースで形にならない絵や立体物に取り組んでいるうちに、子どもたちは元気を取り戻して作品は変化します。 
 

初めて参加していただいたご家族は、お子さんも保護者の方も緊張しています。
以前なら、もう何度も参加してくださっている方々のお子さんへの声かけや見守り方をなんとなく眼にして、耳にして、この場ではできるだけ静かに見ていた方が、心を解放するスピー ドが早いことに気づかれることがあったように思いますが、今は家族ごとに距離をとっていることもあるからか、お母さんたちの緊張もなかなか解けません。
お母さんが緊張しているときは子どもたちも緊張していて、なかなか力を発揮揮できません。
力を発揮できないでいると、お母さんも焦ってしまうという悪循環です。
「早く形のあるものを作って欲しい」
「他の子のマネをしないで自分で考えてやってほしい」
「絵の具はちゃんとした使い方をしてほしい」
お母さんたちがそういった気持ちをもつことは、いわば当たり前なのですが、こうしたことが実現するには、まずは子どもたちに「自分のやり方でやっていいこと」「形にならない作品もOKなこと」「まねることもとても大事なこと」などを感じてもらわなければいけません。
まねることが学ぶことの第一歩です。
あおぞらスタッフはこれを発信し続けています。
 

fullsizeoutput_c7今は我慢しないといけないことも多い日々です。
せめて「あおぞら色彩楽園」では、ゆっくりと、のんびりと、お子さんの変化を感じていただければ、と思っています。

夏休み親子アート講座

今年も毎年恒例の夏休み親子アート講座を2日間に渡って開催しました(7月20日、31日/大阪医科薬科大学LDセンター)。

まずは保護者のためのプチ講座を開催して、お母さんたちに講座の趣旨や、なぜ好きなものを好きなように描いていいのか、描かなくてもOKなのか、などをお話しました。
アートワークを体験してもらうことで、絵を描くということにはどんな意味があるのかをより深く感じていただけたようでしたし、お母さんたちの熱い想いに包まれて、あっという間の2時間でした。


お母さんたちに講座の趣旨をお伝えしたら、さあ、次はいよいよ子どもたちを迎えてのアートな時間です。
毎年感じることですが、LDセンターに通う子どもたちは、本当にいつも一生懸命です。
いえ、他の場所で発達障害を抱える子どもたちに出会っても、たいていはみんな一生懸命です。
一人でも多くの大人に知っていてほしいことの一つです。
 

参加者の中には、毎年参加してくれている子たちもいます。一年ぶりに会う子どもたちは、びっくりするくらい成長していて、一年間のがんばりが想像できるし、一年に一回だけの講座をずっと楽しみにしてくれていることにも感謝です。

プログラムの最初に好きなものを描いたり、つくったりしてもいいこと、それが何かわからないものになってもいいことなどに加えて、失敗もOKなことを伝えることも恒例なのですが、リピーターの子たちは、すでにわかっているはずの話も真剣に聞いてくれて、初めて参加する子たちに補足してくれました。
 

どこに行っても「失敗OK」に驚く子どもは多く、中でも発達障害を抱える子どもの中には、予定していたことができなかったり、失敗したりがあると、「もうダメだ!」と思ってしまうことも少なくありません。
ゲーム好きの6年生のYくんが「失敗OK」と聞き、Sくんに「またやり直せばいいんだよ」と言われて、虚をつかれたような表情から思わず漏れた、「え?そうか・・リセットできるのか・・」は、とても印象的でした。


fullsizeoutput_bf作品は、それぞれの想いや、得意なこと、好きなことが形になって、「夢中になる」時間が流れました。

みんな、ありがとう!
 

これからも時々は自由にアートを楽しんでほしいと思っています。 

ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;