10月は強い風が吹いて、少しバタバタしましたが、11月は朝からポカポカと暖かく、会場全体が穏やかな空気に包まれました。
昨年より感染症拡大防止のために参加人数の制限を設けているため、一昨年までのような大人数ではないことものんびりムードを生んでいるようです。


新型コロナウィルスが発見される前、受付に長い行列ができていたときはお子さんが一生懸命名簿に名前を書いている時も、他の参加者を気遣って「待ってる人がいるから早く書いて」と急がせるお母さんたちもしばしば見ましたが、少ない人数では作品の完成を急かすこともないし、一定の距離をとって周囲があまり気にならないと、お父さん、お母さんたちものんびりムードです。

のんびりムードは、お子さんの作品をありのまま受け止めることにもつながっているようだし、「私もちょっと描いてみようかな」という気持ちになるようで、何かを描くわけではなく、絵の具を使って色を楽しむ保護者も増えたようです。


あおぞらスタッフのレポートの中にも『1枚目の絵にお父さんが筆で横から絵を足していたので、画板に紙を貼って持っていき、「お父さんもここに好きな絵を描いてみてください」と渡すと、「わたしは大丈夫です、ここで」とお子さんの紙を指さしたので、「これは彼の作品になるので、彼に好きな絵を描かせてあげてください。お父さんもステキなタッチの描き方されてたので、ぜひこちらに」と画板を置いて下がりました。

そうすると、お父さんも自分の作品を描きはじめて素敵な絵が出来上がっていました。途中で「大人も楽しいですよねー」と声をかけると「すごく楽しいですね」と照れた様子で言われていました。』

fullsizeoutput_143作品はその子どもの著作物です。また、作品はその子自身でもありますから、大切に、そして尊重されなければなりません。子どもたちが「一緒に描こう」と言うときはいいのですが、そうでないときは横から絵を描いたりしてはいけないものです。

 大人も絵を描いてみると、自分の絵の中に誰かが何かを描いたり、「ここに〇〇を描いて」などと言われたときにどんな気持ちになるかがよくわかります。
絵を描きはじめて、最初はお子さんが横から色をぬったりすると、笑っていたお父さんが絵に集中し始めると、「これはお父さんのだから!描かないで!」と言う姿もよく眼にします。その通りです!


しかし、子どもたちがが絵を描く姿を見ていると、なんだか描きたくなってくるように、アートは互いに刺激する力を生みます。
別のレポートの中にも、『その子は、周りの子どもたちの作るものや描くものに興味津々で、影響されながら作っていました。年齢を問わずに集まるあおぞらは、刺激のある創作場であることを感じました。
ともに刺激を受け合いながら制作する子どもたちの姿をよく目にしたように思います。』とありました。


fullsizeoutput_189他の子どもの作品を見て、「あんなの作りたい!」と刺激されることは、とても大事なことです。
表現したいことを思い切り表現して、心のバランスが整ってくると、大人も子どもも「あれ、すごい!」と素直にリスペクトできるし、「やってみたい!」とチャレンジする意欲も大きくなります。

あおぞら色彩楽園に集まる人たちが互いに高め合うことができる場であることを願っています。