毎年11月のあおぞらの頃には、公園内の木々は色づき、赤やオレンジ色、黄色、黄緑色、緑などなど、鮮やかなトーンから落ち着いたトーンまでが見られることはもちろん、それらが混ざり合った色の落ち葉を拾って歩くこともできますし、自分の顔より大きなプラタナスの葉っぱを手に走る子どもの姿が見られます。
公園のあおぞらスペースで子どもたちがのびのびと絵を描いたり、立体物をつくることに集中したりする姿は、もういつもの光景です。
絵を描いたり、何かをつくったりしていると、私たちは色や形、手ざわりなどで眼に、耳に、鼻に、手に、身体中に刺激を受けます。
また、描いたりつくったりに加えて、例えば落ち葉をみつけて拾うと、その色には眼から刺激を受けますし、葉っぱの手ざわりを感じます。匂いも感じるかもしれません。
公園では風を体で感じるし、木々が生み出す音を聞いたり、土や砂を手で感じる子どももたくさんいます。まれに落ちてくる雨の冷たさなどを感じることもあるでしょう。
おひさまの陽を浴びることも体にとって重要ですね。
つまり、外で遊ぶことは絵の具やねんどなどの感覚刺激だけではなく、その環境から様々な五感への刺激があるという大きなおまけがついているわけです。
子どもが様々な感覚の刺激を受けることはとても大切で、脳の発達と深い関係があることが知られています。
また、五感だけでなく、自分の身体の傾きやスピード、回転を感じる感覚もあります。
鉄棒で回ったり、ブランコに乗っているときも、眼球運動と連動しながら、状況に合わせて身体を変化させているので、転落せずに遊ぶことができます。
時々受付でブランコやすべり台を気にしている子どもに「まずはブランコで遊んでから絵を描きに来てもいいよ」と声をかけるのは、「ブランコに乗りたい」という欲求や運動欲求を満たして、感覚刺激のウォーミングアップもしてからの方が落ち着いた取り組みを見せるからです。
11月のあおぞらは朝は雨が降り、時折強い風が吹くこともあったこともあってか、参加してくれた子どもはいつもより少ない人数でした。
けれども、時には身体を動かして、自分のペースで自発的に作品に取り組む充実感を味わって、子どもの心身の成長にとって大事な刺激を受けて、お父さん、お母さんに作品を受けとめてもらえて、子どもたちは実に悠々と過ごしていました。
残念なことに、今年も受け入れ人数を制限したり、屋内での開催が難しく、雨が降ったときには開催を中止にせざるをえないなど、コロナ感染予防の影響を受けました。
それでも月に一度の開催を楽しみにしてくれている子どもは多く、わたしたちは毎月子どもたちに多くのことを勉強させてもらいましたし、また、元気にもしてもらいました。
ありがとうございました。
次のあおぞらは2023年3月。
春になったら再開です。
それまでみんな元気で!