フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

2025年03月

くますけものがたり6〜あおぞら存続の危機も!?

くまものがたりロゴ6

 こんにちは!くますけです!

ようやく梅の花が咲き始めました。春が近づいてきましたね。あおぞら色彩楽園も3月よりいよいよスタートします。早くみんなに会いたくて、待ちきれないよ!

公園での自由なアートスペース、あおぞら色彩楽園もおかげさまで30周年を迎えました。阪神・淡路大震災で被災した子どもたちのケアから始まって、今では子育て支援の場としても続いています。多くの方々に支えられている「あおぞら」ですが、30年の中では存続の危機もありました。


 あおぞら色彩楽園は1995年にスタートして、1997年には開催場所を大倉山公園に移動しました。このとき、被災した留学生の支援のために誕生したロータリー子どもの家(現神戸真生塾子ども家庭支援センター)との共催で毎月開催し、夏休みには「おもいっきりおえかき大会」も開催しました。非常に多くの参加者を迎えていましたが、共催していたロータリー子どもの家が撤退したんです。このとき、色彩楽園の単独開催で活動が続けられるのかどうか、藤井さんは本当に悩んだそうです。


 なぜなら、ロータリー子どもの家には現在も倉庫や備品運搬のための車をお借りしたりして、お世話になっています。しかし、色彩楽園だけで開催するとなると、特に資金的には非常に厳しい状況になってしまいます。ボランティアスタッフの交通費すら支給もできません。何ヶ月か悩み抜いたあげく、2014年からは色彩楽園の単独開催事業となりました。

このとき、藤井さんはどんなことを考えたのか、聞いてみました。


くますけ:色彩楽園だけで開催と決めたときはどんな気持ちだったの?

藤井:もう、なんとも重苦しい気持ちでいっぱいでした。もしも、あおぞらスタッフがボランティアを続けられないということになったら、あおぞら色彩楽園は開催できないからね。いよいよ「あおぞら」も終わるのか・・・とも考えました。

くますけ:あおぞらスタッフに伝えたときは?

藤井:2014年1月のあおぞら研修の日に、この活動の歴史や関わった多くの人たちの想いなどを改めて伝えて、この春からは交通費さえも支給できないことを知らせました。この状況でも「あおぞら」に関わってもらえるなら、改めてスタッフ登録をしてほしいと。このことを口にしたときの緊張は、もう、しばらく感じたことがないほどで、心拍数が急激に上がるのがはっきりわかりました。

くますけ:あおぞらスタッフたちはなんて言ったの?

藤井:それがね、もうびっくりしたんだけれど、あおぞらスタッフは、少し驚いてはいたけれど、異議を唱えたり、不満を漏らしたりすることはなかったのよ。それどころか、それならばと、それぞれが今後の活動資金確保のアイデアを口にし始めたの。まるで「そんなことはたいした問題ではない」とでも言いたげだったね。それだけじゃなくて、前の年に続いて(東日本大震災で被災した)福島県での「あおぞら」開催のための資金集めをみんなでがんばりたいという気持ちを表してくれたんです。


 交通費の支給がないボランティアは珍しくないんだけれど、あおぞらスタッフは毎回活動に参加できることが登録の条件です。さらに子どもに関しての様々なことを自分で勉強しなくちゃいけないの。自分で状況を判断して対応する高い能力が常に求められて、強い責任感を持ってくれています。中には心理や教育を勉強中の大学生もいたし、当時は遠く広島から毎月参加している人もいました。せめて交通費くらいは、という想いは当然のことだと思ってたんです。

くますけ:すごーい!できるだけ多くの子どもや保護者を支えたいというあおぞらスタッフの情熱は、藤井さんの想像を遥かに超えた大きなものだったんですね!

藤井:うん、そうね。交通儀なんて、どうでもよかったのかも。あおぞらスタッフはプロ集団なので、子どもの育ちや保護者にとって何より大事なことがわかってるんだよね。子どもたちにとって理想のアートスペースを維持できるのなら、それが最も大事と思ってくれているんだと思うよ。


 あおぞら色彩楽園は、神戸市社会福祉協議会善意銀行の助成とあおぞら募金で活動しています。スタッフにはできるだけ交通費を支給していますが、支給した交通費を「募金です」と言って募金箱に入れてくれています。

この、あおぞら色彩楽園存続の危機のときも、新型コロナウィルスで開催が難しくなったときも、あおぞらスタッフみんなで知恵をしぼり、挑戦し続けて危機を乗り越えてきました。その時々で進化を続けてきたと思います。

あおぞら色彩楽園30周年は、あきらめずに挑戦し続けた30年。

支えてくださっている多くの方々の想いがつまった30年です。
(写真は2015年。20周年のときのあおぞらスタッフです)

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2月のあおぞらレポート〜救急法研修

いつも12月~2月の間はスタッフ研修のため、公園での開催をお休みしています。

2月は救急法研修を行いました。


事故やケガはいつ、どこで起きるかわかりません。

ましてや子どもたちは、大人が想像していないような行動に出ることも珍しくありません。

意識がない、呼吸がない、そんなときにまず何をしないといけないかは何度練習してもやりすぎではありません。

また、小さな子どもはなんでも口にするので、ペットボトルのフタを飲み込んでしまうこともあるし、食べ方によってはあめ玉やぶどう、ミニトマトなども喉に詰めてしまうことがあります。

小学生が給食のパンを喉に詰めてしまった事故もありました。

お正月に高齢者がお餅をのどに詰めてしまうこともよく知られています。


喉に何かがつまってしまうと、窒息を起こします。

息ができなくなってしまうと、大事故につながることは言うまでもありません。

こうしたときの対処に関する知識や対処法を身につけておくことは、すべての大人に必要とされることでしょう。

公園でたくさんの子どもたちを迎えるあおぞらスタッフも同様です。


IMG_5382研修ではレクチャーの後、日常生活や子どもが遊ぶ場で起こることを想定しながら実技研修も行いました。

あおぞらスタッフは教育・保育など子どもと関わる仕事に就いている人が多いので、それぞれ職場でのことも思いながら誰もが真剣です。

もとより、どんなことにもいつも積極的に、かつ、楽しく取り組むあおぞらスタッフです。

様々なケースを想定しながら、「あれ?こんなときは?」と新たな疑問を持ったり、「うーん、実際の場面でできるかなぁ」と不安をのぞかせたりしながら、研修はあっという間に終了しました。


研修の後は、あおぞら倉庫の大掃除のつづきと、いよいよいやってくる3月の公園での開催に向けて準備を完了しました。

冬のお休みを挟んで春が来たら、あおぞら色彩楽園再開です。

毎年、たくさんの方々が心待ちにしてくれていますが、最も再開を待ち侘びているのはあおぞらスタッフでしょう。

さあ、春です。

公園のアートスペースでみんなを待っています。

ギャラリー
  • 6月のあおぞらレポート〜まずは楽しんで!
  • 被災した子どもたちからの贈りもの
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  • 5月のあおぞらレポート〜まずは絵の具を楽しんで!!
  • 復興の原動力は子どもたち〜震災復興モデル
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  • 4月のあおぞらレポート~あおぞら色彩楽園スタート!
  • くますけがひもとく色彩楽園30年〜子どもたちの声から生まれたあおぞら募金
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;