フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

2025年06月

5月のあおぞらレポート〜まずは絵の具を楽しんで!!

 雨が心配された5月のあおぞら色彩楽園。天に願いが届き、当日は良いお天気になりました(5月18日 大倉山公園)


 ここのところ、あおぞら色彩楽園には偶然公園い遊びに来た人たちの参加が目立ちます。

「これは何のイベントですか?」

「申し込みがいるんですか?」と興味を持ってくださる方がたくさんです。
30年以上続いている活動だと知って「30年!すぐ近くに住んでいるのに知りませんでした!」と驚かれる方もいらっしゃいます。


CIMG0274初めて参加される場合は、お父さんやお母さんがついつい、あれこれ口を出してしまいがちです。
これは、「言わないと、この子が困っちゃう」という心配からくるのでしょう。

それでも、子どもたちは思うように描いていいことがわかると、元気いっぱいです。
3歳のSちゃんも初めは緊張していましたが、次第に解放されて、4枚目の絵を描くころには驚くほどの躍動感がありました。


子どもが絵を描こうとしているとき、大人はつい絵の具や筆の使い方を指示したり、「おててにぬってペッタンしてごらん」と言ってしまうことが少なくありません。


子どもたちはまずは、好きな色をお皿に出すこと自体に楽しさを感じているし、絵の具が水に溶けたり、混ざると色が変化することに知的好奇心を刺激されています。

そんなとき、とにかく筆で線や形を描くことを急がせてしまっては、知的欲求は満たされません。

また、絵の具の使い方にしても、絵の描き方にしても、大人から言われた通りじゃなきゃいけないと思っている子どもは「次はどうするの?」と何度も聞きます。

そして、大抵の場合、あまり集中しないまま「もう絵の具やめる」と言って、他の遊びを始めます。
自分のペースで、やりたいようにやれていないからでしょう。

しかし、描き方を決めつけられずに自分でやりたいようにやっていても、なんだか楽しめないときもあります。

そんなときは心に疲労がたまっているときです。


どの子も新学期のスタートをがんばったので、6月は子どもたちに疲れが見えるときです。

ぬりたい色を思い切りぬって、絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜることも楽しんで、心に抱え込んだ疲れを外に出してもらいたいと思っています。

復興の原動力は子どもたち〜震災復興モデル

くまものがたりロゴ6

こんにちは!くますけです!

 さわやかな日が続いています。あちこちに紫陽花の花も眼にするようになりました。
今回は阪神・淡路大震災から10年の時が経ち、震災後に歩んできた道をようやく振り返ることができるようになってきたように感じていたころの震災復興モデルについてお話しします。


 1995年、神戸の街が揺れてライフラインが断たれ、生活や仕事の再建に奔走した大人たち。
子どもたちがいつもにまして「だっこして!」と言えない日々が続きました。
抱え込んでしまった恐怖や不安、やりきれなさ、そして言葉にならない気持ちは、いつか心のバランスを崩してしまいます。
わたしたちはクレヨンや色鉛筆を持って子どもたちのもとへ行かずにはいられませんでした。

 冷たい避難所や公園で子どもたちは驚くほどたくさんの絵を描きました。心の中にある様々な想いを色に代え、形に代えて画用紙の上に表し、絵という心の言葉を語ってくれました。
心の中に閉じこめたものを表現する姿には、未来に向かって歩もうとするエネルギーが満ちあふれていました。
それは私たちを癒し、希望を感じさせ、神戸復興の隠れた原動力にもなりました。

 そんな10年間の歩みに希望と感謝を込めて震災復興モデルは誕生したんです。


 この企画はカンペール社と色彩楽園のコラボレーションによって実現しました。メンズ、レディスの2パターンの展開です。どちらも片方は被災した子どもたちが描いたショックや驚きを、そしてもう片方は10年という時が経って表現された「ありがとう!」や「希望をすてないで!」と言ったメッセージを表した作品がプリントされていて、「1995」と「KOBE」の文字も入っています。

 カンペール社はスペインの老舗シューズメーカーで、色鮮やかなユニークなデザインのモデルを生み出していることでも有名です。このコラボレーションを企画してくださったKさんは、当時こんなことを語ってくれていました。


「突然訪れた悲しい出来事の中に、今まで感じなかった隣人の優しさや、遠くに住む友の無性な愛情、冷めた若者のボランティアへの熱い関心や、その無償な行動・・。
”人間”って捨てたもんじゃないよね・・と、生活ラインの復旧を今か今かと待つ中、胸を熱くしたことを思い出します。


そして、あれから10年。自分たちのできることを一生懸命少しずつ積み上げ、大震災のことを消し去りながら生きてきたような気がする。いや、この出来事があまりにも悲しすぎて思い出したくなかったというのが正直なところかもしれない・・・。

しかし、この10年目を迎えるにあたって、阪神大震災を葬り去るのではなく、そこから学んだメッセージを伝えていく責任があることを気付かされた。

人ってすばらしいよね。ってことと、自分たちの出来ることを少しずつすれば前に進める。ってこと。


(中略)1995年。大きな揺れる大地に心を閉ざした子どもの絵から表現された恐怖感。でも、2005年の今はありがとうと微笑むことが出来たこと。camper社が子どもの繊細な心を、瓦礫から足を保護してくれた”靴”を通して表現してくれている。


自然災害や戦争や悲しいことの多い中、いつも傷つく子どもたち。

でも、大人たちがしっかり見守り、手をとり、しっかり歩いていけば必ず素敵な未来が待っていること。そんなメッセージをこの企画を通して伝えることが出来れば素敵だなと思います。」


 被災した神戸の子どもたちは絵を描いて元気になりました。
子どもの中にはショックを乗り越え、勇気と愛を自らの中に育てる力が潜んでいます。

子どもたちが子どもたちを支えるー子どもには、そんなことまでもやってのける力があります。

 この震災復興モデルは一部のカンペール店や各地のデパートなどで販売されて、収益はすべて子どもを守る団体に寄付されました。


 30年という時を経た今、震災の体験を通して、また、その後の様々な活動を通して、わたしたちは子どもが心を解放し、心の言葉を話す場があることが子どもの心を安定させて、個を充実させ、それぞれが持つ力を育てることを再確認しました。

 自然災害や紛争、事件、事故などにより苦しんでおられる方々をはじめ、多くの方々に子どもが持つ無限の力が、いつもわたしたちに希望を与えてくれていることを少しでもお伝えできればと願って誕生した靴、Kobe Twinsです。


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ギャラリー
  • 6月のあおぞらレポート〜まずは楽しんで!
  • 被災した子どもたちからの贈りもの
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  • 5月のあおぞらレポート〜まずは絵の具を楽しんで!!
  • 復興の原動力は子どもたち〜震災復興モデル
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  • 4月のあおぞらレポート~あおぞら色彩楽園スタート!
  • くますけがひもとく色彩楽園30年〜子どもたちの声から生まれたあおぞら募金
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;