フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

2026年04月

旅立ちの季節

 3月は締めくくり、そして旅立ちの季節です。
今年も子どものアトリエの6年生たちが卒業制作にチャレンジしました。

 例年、2学期の半ばごろに6年生ぞれぞれに卒業制作の相談をします。小学校卒業を記念した作品で、取り組んでも取り組まなくてもよいこと、時間をかけてトライできることなどを話して、いつも通りに「何をやるか」は自分で決めていいことを伝えます。「うん、やってみる」と言うと、一緒に計画表を作って準備をします。


多田羅結生260308-2Yくんが選んだテーマは「桜」です。

力強い幹と根、伸びた枝ができあがるころ、なぜ桜をテーマに選んだのかを聞いてみました。

「学校に桜の木があって、季節によって見た目が変わる。その中で一番印象的で美しかったのはいつも花が咲くときだったから」。

 6年間を見守ってくれた校庭の桜は冷たい冬も乗り越えて、いつも春になれば優しい色の花をつけたのでしょう。

3月のクラス最終回にYくんの桜もたくさんの花をつけました。

逞しい幹にたさくんの花をつけた桜は、まるでYくんの分身のようでした。


中畑健太郎260328-3Kくんは大好きなキャラクターをたくさん集合させました。

スタートしてから毎回カメラを持参してきて、中に保存した画像を参考にしながら、一つ一つキャラクターを増やしていきました。

途中で少々苦しそうなときもあったので、「今日はこれを休んで工作していいよ」と声をかけても「いや、これを描きたい」と言って粘り強く取り組みました。

いよいよ仕上げにかかったころ、Kくんは「あー、こんなにたくさん描いたのか」と自分でも少し驚いていたことがとても印象的です。

それは、まるでこれまでがんばってきた6年間の道を振り返るかのようで、キャラクターの数を何度も数えなおして、Kくんの口から出た「37体ある」という言葉は、こんなにたくさんの様々な人に出会って、いろいろなことをがんばってきたんだと自分の足跡を改めて感じているかのようでした。


村橋結郁260308-4Yさんのチャレンジは少女漫画です。

ちょうど大好きなマンガ、作者に出会ったころのようで、とても熱心に原稿を描くことに取り組みました。

でも、「描くこと」以外にもYさんががんばったことがたくさんありました。

本に仕上げるまでのプロセス全体を把握して立てた計画は、とても細部まで考えられていましたし、時には修正も加えて、「描くこと」も、本を完成させるまでにやるべき「さまざまなこと」もどちらも楽しく取り組めたと思います。

冬休みも宿題として持ち帰り、「自発的に取り組んでいました」とお母さまを驚かせました。

Yさんが考えたペンネームには憧れの作者へのリスペクトが込められていて、10代の子どもたちの大きな原動力となる憧れや尊敬、目標を感じさせる作品となりました。


 自ら考える、選ぶ、決める経験をたくさん積んだ子どもたちは、持っている力、いや、それ以上の力も発揮する土台を身につけています。

卒業制作が完成するまでには少々苦しいことも経験しますが、それぞれが自分の力でその壁を乗り越えて、新しいステージへと飛び立ちます。

6年生たちは中学校という新しい世界で、またたくさんの発見をするでしょう。

また一段と大きく成長する姿を楽しみにしています。




3月のあおぞらレポート

寒さが心配だった3月のあおぞら色彩楽園。

当日は暖かさが戻り、穏やかな春のアートスペースになりました(3月15日 大倉山公園)


この日は公園に遊びにきていた子どもたちもたくさん参加してくれて、それぞれのアートを楽しみました。

初めて参加してくれたSくん(8歳)は、まず小さい画用紙を選んで目の前にある遊具などを慎重に描き始めました。絵筆をしっかり洗って色を代え、ていねいに描き進めていました。

時々、あおぞらスタッフから「よく見てるね」「ていねいに描いているね」など声をかけられていたSくんの絵に大きな変化が現れました。絵の中央にオレンジ色の大きな丸が登場したのです。

その後Sくんが持って来た2枚目の画用紙は1枚目の8倍ほどもある最も大きなサイズでした。

のびのびと大きく描かれた絵は1枚目とはずいぶん雰囲気が違ったもので、描き終わると立体物を作ることに取り組み始め、とても考えながら進めているようで、考えることが好きな様子がうかがえました。


最初の絵を描きはじめたとき、Sくんはとても緊張しているようでした。

おそらく学校で教わった通りに絵の具を使って、目の前にある対象物(遊具)を一生懸命見た通りに描こうとしていました。

そんなSくんの取り組みや絵がありのままに受け止められて安心したのか、大きな丸が登場したのです。

Sくんは、その丸を「夕焼け」と説明してくれましたが、自分の絵が受け入れられて丸をもらったようでもあったのでしょう。しかもそれは、とてもあたたかいオレンジ色でした。

ですから2枚目の絵はとても大きなサイズになって、のびのびと表現されていたし、工作に取り組むとSくんの持ち前の力を発揮して、考えることを十分に楽しんでいたようでした。

ずっと見守っていたお父さまは「こういうことが好きだったんですね。知らなかったなー」と驚いた様子でした。


CIMG2069子どもたちは、それぞれのスタイル、ペースが受け止められると驚くような力を発揮します。

さあ、公園でアートを楽しむには絶好の季節がやってきました。

4月も公園で待っています!
(写真と本文は関係ありません)

ギャラリー
  • 旅立ちの季節
  • 旅立ちの季節
  • 旅立ちの季節
  • 3月のあおぞらレポート
  • 2026年2月のあおぞらレポート
  • 2026年1月のあおぞらレポート②~心を守る
  • 2026年1月のあおぞらレポート②~心を守る
  • 2026年1月のあおぞらレポート①〜命を守る
  • 2026年1月のあおぞらレポート①〜命を守る
プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;