これまで色彩楽園30年の歴史をご紹介してきましたが、今回が最終回です。
最終回は藤井さんに30年を振り返ってもらいました。
阪神・淡路大震災にはじまって、各地の自然災害で被災した子どもやコソボ紛争で日本に避難してきた子どものケア活動を続けながら、保護者の要望を受けて定期クラスを開いて子どもたち、保護者の方々に継続的に関わりました。
おえかき大会をはじめ、作品展や写真展などのイベントも多く開催しましたし、西宮YMCA アトリエでは夏休みにはアトリエキャンプを実施して2日間すべて自由なアートの時間を楽しみました。子どもたちは飽きることなくアートに取り組んで、帰るときには「もう終わり?」と言う言葉が出たことも印象的でした。
また、児童相談所(現神戸市子ども家庭センター)の一時保護所にも毎週出張しました。三重県津市のこころのクリニックでたくさんの患者さんにも出会いました。
サポート会員にご登録いただいた方は退会者も含めて約170名、ボランティア登録者はこれまでに140名を超えました。活動を応援していただいた企業やグループ、個人の方もたくさんです。
講演や研修会で出会った方々からも多くの気づきや学びがありました。
私たちがケア活動やイベント、子どものアトリエ、あおぞら色彩楽園で出会った子どもたちから教えてもらったことはたくさんです。
例えば、心に抱えたダメージがどんな作品になって現れるのか、どんなプロセスを辿って子どもたちの心は元気になっていくのか、私たちができることはなんなのか等々、すべてこれまで出会ってきた子どもたちから学びました。
それらの大切なことを子どもに関わる先生方にお伝えすることは、わたしにとって大きな学びでした。
子どもが心も体も健康に育つためには自由に表現できる場が不可欠だという想いを強くし、子どもクラスだけでなく、あおぞら色彩楽園でも保護者への発信を続けました。
あおぞらスタッフにも感謝しかありません。
社会情勢の変化や気候の大きな変化に伴って、あおぞら色彩楽園にも常に大きな壁が立ちはだかりました。募金だけで
それでも、「じゃあ、こうしたら?」とアイデアを出し合い、大切なことを守ろうとする姿勢を常に見せてくれています。
昨年の冬には「本当に力を注ぐことができる。スタッフみんなが同じ方向を向いていると感じられるから」という言葉も忘れられません。
そうやって続けてきて、2015年には日本児童青年精神医学会より実践奨励賞をいただいたことも大きな励みになりました。
このような形で認められることは、もちろん嬉しいことです。
けれども、やはり何より嬉しいのは、子どもの作品の中に回復の兆しが見えたとき、驚くほどの力を感じたとき、それを子ども自身が感じているとき、そして不安を抱えていた保護者がお子さんの新しい一歩を見て、それまでとは打って変わった明るい表情を見せてくださるときです。
本当に多くの方々のお支えで夢中で活動し、大切なことをたくさん学びました。
くますけくんが誕生して16年。初めは名前もなかったけれど、各地の被災地に出張してくれたり、新型コロナウィルスが蔓延したときは気をつけないといけないことを毎日呼びかけてくれたり、本当に活躍してくれたね。
ありがとう。
30年を機に色彩楽園の歴史を紹介してくれて、嬉しいです。
みなさま、これからもよろしくお願いいたします」
くますけがひもとく色彩楽園30年 くますけものがたりは今回で終了です。
みなさま、いつもお読みただいて、ありがとうございました。














