3月は締めくくり、そして旅立ちの季節です。
今年も子どものアトリエの6年生たちが卒業制作にチャレンジしました。
例年、2学期の半ばごろに6年生ぞれぞれに卒業制作の相談をします。小学校卒業を記念した作品で、取り組んでも取り組まなくてもよいこと、時間をかけてトライできることなどを話して、いつも通りに「何をやるか」は自分で決めていいことを伝えます。「うん、やってみる」と言うと、一緒に計画表を作って準備をします。
力強い幹と根、伸びた枝ができあがるころ、なぜ桜をテーマに選んだのかを聞いてみました。
「学校に桜の木があって、季節によって見た目が変わる。その中で一番印象的で美しかったのはいつも花が咲くときだったから」。
6年間を見守ってくれた校庭の桜は冷たい冬も乗り越えて、いつも春になれば優しい色の花をつけたのでしょう。
3月のクラス最終回にYくんの桜もたくさんの花をつけました。
逞しい幹にたさくんの花をつけた桜は、まるでYくんの分身のようでした。
スタートしてから毎回カメラを持参してきて、中に保存した画像を参考にしながら、一つ一つキャラクターを増やしていきました。
途中で少々苦しそうなときもあったので、「今日はこれを休んで工作していいよ」と声をかけても「いや、これを描きたい」と言って粘り強く取り組みました。
いよいよ仕上げにかかったころ、Kくんは「あー、こんなにたくさん描いたのか」と自分でも少し驚いていたことがとても印象的です。
それは、まるでこれまでがんばってきた6年間の道を振り返るかのようで、キャラクターの数を何度も数えなおして、Kくんの口から出た「37体ある」という言葉は、こんなにたくさんの様々な人に出会って、いろいろなことをがんばってきたんだと自分の足跡を改めて感じているかのようでした。
ちょうど大好きなマンガ、作者に出会ったころのようで、とても熱心に原稿を描くことに取り組みました。
でも、「描くこと」以外にもYさんががんばったことがたくさんありました。
本に仕上げるまでのプロセス全体を把握して立てた計画は、とても細部まで考えられていましたし、時には修正も加えて、「描くこと」も、本を完成させるまでにやるべき「さまざまなこと」もどちらも楽しく取り組めたと思います。
冬休みも宿題として持ち帰り、「自発的に取り組んでいました」とお母さまを驚かせました。
Yさんが考えたペンネームには憧れの作者へのリスペクトが込められていて、10代の子どもたちの大きな原動力となる憧れや尊敬、目標を感じさせる作品となりました。
自ら考える、選ぶ、決める経験をたくさん積んだ子どもたちは、持っている力、いや、それ以上の力も発揮する土台を身につけています。
卒業制作が完成するまでには少々苦しいことも経験しますが、それぞれが自分の力でその壁を乗り越えて、新しいステージへと飛び立ちます。
6年生たちは中学校という新しい世界で、またたくさんの発見をするでしょう。












