フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

あおぞらレポート

5月のあおぞらレポート〜成長が嬉しい再会は最高の贈り物

 気候の良い5月は公園でのアートを楽しむのにぴったりです。ピカピカのお天気の下、公園にはたくさんの子どもたちが集まってくれました(5月17日 大倉山公園)


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 この日はギャラリーに並んだ作品を熱心に見ている男性の姿がありました。
「ここの作品はすごいですね。本当にアートですね」と感嘆した様子で、神戸の震災での心のケア活動から始まったと知ると、「30年前から心のケア、とても早い取り組みだったんですね」。
 ご自身も絵を描かれるとのことでしたし、3月に立ち寄ってくださったアーティストの方も「ここにはアートがある!」とおっしゃいました。
いつも感じることですが、自由に、のびのびと表現された作品には力があります。

 さて、子どもたちは4月のはりきり月が終わって、5月の半ばごろからそろそろおつかれモードに入ります。

この時期から6月ごろまでに見せる疲労は、新学期をとてもがんばった証拠なので、あまり心配しなくてもよいことがほとんどですが、それでも、体調不良で保健室に行く子どもが増えるようです。

多くの子が疲れていて余裕がないので、小さなトラブルが起こりがちで、子ども同士の諍いが増えたりもします。

 そんな中、公園の自由なアートスペースに来てくれた子どもたちは、ダイナミックに絵の具を使ったり、立体作品に夢中で取り組んだりして春のお疲れを吹き飛ばしてくれたようでした。

のびのびとアートを楽しんでいるときの子どもたちは、実にリラックスしているし、楽しそうです。


 また、今回多かったのは「久しぶりに来ました」や、「お兄ちゃんの時に来てたんですけど、もう大きくなって。今日は末っ子です」といった声です。
中には数年ぶりに来てくれた子もいました。
そんな子たちに「あ、久しぶりじゃない?」と声をかけると、ホッとしたように、安心したように笑顔を見せてくれます。


 振り返ってみると、「そう言えば毎月のように来てくれていた、あの子はどうしたのかな」と思うことがあったり、お母さんの姿を見なくなって、お父さんとお子さんだけの参加が続いたりすることもあります。

 すると、数年経って新しく増えたきょうだいと一緒に来て、すっかりお兄ちゃん、お姉ちゃんになった姿を見せてくれることもあって、もう、驚きと嬉しさでいっぱいです。

 お母さんのお腹が大きくなって参加できなくなり、その後新しく増えたファミリーの一員が公園い遊びに来られる年齢になると、時が経っていても「あおぞら」のことを思い出してくれて、また、遊びに来てくれるーこんな嬉しいことはありません。

 お母さんたちは、「あおぞら」のことをしっかり覚えてくれていて、「調べてみたら、やってるってわかったので」と笑顔を見せてくださいます。


 何年かぶりの参加は少なくありません。これは、大切に思うことを大切にし続けて活動を継続しているからこそでしょう。

そして、時間が経っても覚えていてくださるのは、ここでの体験が何か心に残るものだったからかもしれません。

 ですから、「お久しぶり」さんに会えることは、この活動を心に残しておいてくれていたんだと胸が熱くなるし、なにより、成長した子どもたちに会えると言う、私たちにとってはなんとも贅沢な、貴重な機会です。

 さらには、「一年間だけ」や「小学生まで」ではなく、裸になって絵の具で遊んでいた幼児期から作品も成長する学童期、そしてすっかり大人になった青年期と長い間子どもの育ちに寄り添うことができて、私たちは多くのことを学びます。


 もちろん、阪神大震災からずっと活動を継続できているのは、参加してくれる子どもたち、ご家族をはじめ、多くのお支えがあるおかげなのは言うまでもありません。
今年も神戸市社会福祉協議会善意銀行様より助成も決定していただきました。
あおぞら募金だけで開催しているので、本当にありがたく、感謝しています。


春の疲れがピークになる6月も思い切りアートを楽しみ来てください。

公園で待っています!

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4月のあおぞらレポート

はりきり4月!


 すっかり暖かくなってツツジが咲き始めた大倉山公園で4月のあおぞら色彩楽園を開催しました(4月19日)。


 4月の子どもたちは、はりきりモードです。受付で6歳と聞いて「1年生?」と聞くと「1年生です!」と元気な声を返してくれる子や照れくさそうにうなずく子もいます。
思わず「おめでとう!」と言うと、ちょっぴり恥ずかしそうに、それでもとても嬉しそうな表情を見せてくれます。
2年生以上の子どもたちも新学期を迎えて、気持ちも新たに高まるエネルギーを隠しきれない様子です。

子どものアトリエでも4月は学校の話がたくさん出ます。

「3年生になった!」

「今度の担任の先生、ダジャレが好き!」

「隣の組の先生、めっちゃこわい!」

3月までとは違う教室、担任の先生や友だち、教科書やノートなど、子どもたちを取り巻く環境には新しいことがたくさんで、一学年上がって新しいステージが始まったと感じるには十分です。


 この時期はエネルギーが高まっているので、意欲的で集中力も高く、初めてのことや、少々難しいことにチャレンジする姿も多く見られます。

とりわけ、1年生たちにとっては「小学生になった」ことは、とてもお兄さん、お姉さんになったことであるようで、ピカピカのランドセルを背負っている姿からは大きなエネルギーが発せられて、体より大きなランドセルにもちっとも負けていません。

はりきりモードなので、「やってみたい!」と言う声もたくさん出ます。実に頼もしく、チャレンジ精神いっぱいで私たちスタッフも嬉しくなります。


CIMG2362 しかし、初めての場で緊張感がありありと伝わってくる子どももいます。

初めての参加で、お母さんから「やる?」と聞かれて躊躇する様子が見られるとき、あおぞらスペースでの約束事を子どもたちに伝えます。

好きなものを描いていいこと、

好きなものを作っていいこと、

使いたい色を使っていいこと、

そして、失敗はOKなこと。

失敗したら、やり直せばいいよと伝えると、子どもたちは少し安心したように「やる」と応えてくれます。

そして、絵の具を使ったり、立体物をつくったりする中で、どんなやり方でやっていても、どのスタッフからも「No」が出ないし、むしろ、「それ、面白いね!」と声がかかると、子どもたちは次第に心を解放し、それぞれのアートは自由になっていきます。


 このように4月ははりきりモードですが、新しい環境であることもあって失敗はつきものです。

最初から「もう1年生だから失敗しちゃいけない!」ではなくて、失敗した時の恥ずかしい気持ち、悔しい気持ち、泣きたい気持ちに寄り添って、お子さんと一緒に失敗を「いい経験」にしてあげたいですね。

「いい経験」になったとき、その失敗は活かされています。
失敗が活かされた経験があると、またチャレンジすることでしょう。


連休でリフレッシュした子どもたちは、また元気な顔を見せてくれるでしょう。

5月も公園で待っています!

3月のあおぞらレポート

寒さが心配だった3月のあおぞら色彩楽園。

当日は暖かさが戻り、穏やかな春のアートスペースになりました(3月15日 大倉山公園)


この日は公園に遊びにきていた子どもたちもたくさん参加してくれて、それぞれのアートを楽しみました。

初めて参加してくれたSくん(8歳)は、まず小さい画用紙を選んで目の前にある遊具などを慎重に描き始めました。絵筆をしっかり洗って色を代え、ていねいに描き進めていました。

時々、あおぞらスタッフから「よく見てるね」「ていねいに描いているね」など声をかけられていたSくんの絵に大きな変化が現れました。絵の中央にオレンジ色の大きな丸が登場したのです。

その後Sくんが持って来た2枚目の画用紙は1枚目の8倍ほどもある最も大きなサイズでした。

のびのびと大きく描かれた絵は1枚目とはずいぶん雰囲気が違ったもので、描き終わると立体物を作ることに取り組み始め、とても考えながら進めているようで、考えることが好きな様子がうかがえました。


最初の絵を描きはじめたとき、Sくんはとても緊張しているようでした。

おそらく学校で教わった通りに絵の具を使って、目の前にある対象物(遊具)を一生懸命見た通りに描こうとしていました。

そんなSくんの取り組みや絵がありのままに受け止められて安心したのか、大きな丸が登場したのです。

Sくんは、その丸を「夕焼け」と説明してくれましたが、自分の絵が受け入れられて丸をもらったようでもあったのでしょう。しかもそれは、とてもあたたかいオレンジ色でした。

ですから2枚目の絵はとても大きなサイズになって、のびのびと表現されていたし、工作に取り組むとSくんの持ち前の力を発揮して、考えることを十分に楽しんでいたようでした。

ずっと見守っていたお父さまは「こういうことが好きだったんですね。知らなかったなー」と驚いた様子でした。


CIMG2069子どもたちは、それぞれのスタイル、ペースが受け止められると驚くような力を発揮します。

さあ、公園でアートを楽しむには絶好の季節がやってきました。

4月も公園で待っています!
(写真と本文は関係ありません)

2026年2月のあおぞらレポート

2月のあおぞら色彩楽園は恒例のスタッフ研修でした。

あおぞらスタッフは、子どもの絵のこと、絵がどう子どもの育ちに影響するのか、子どもたちが安心してのびのびとアートを楽しむためのアプローチなど、さまざまなことを常に学んでいます。

2月は子どもたちと同じ体験をして、自分の中に何が生まれるかがテーマでした。


そこで、まずは子どもたちと同じように様々な材料、素材、画材などがあるアートスペースで自由なアートに取り組みました。
「何をしてもいい」は、とりわけ大人にとって、とても難しいことです。

子どもたちも小学校中学年あたりから最初は戸惑いを見せます。
高学年になると、様々な経験もあるので、やりたいようにやりながらも経験を活かしてオリジナリティにあふれたアートを生み出します。

IMG_5895スタートして15分ほど経つと、それぞれが自分の作品に集中して、部屋の温度は上がり、クリエイティブな空気が部屋に満ち始めました。

自由なアートは「1時間」と伝えていましたが、1時間が経過した「そのとき」はまさに「ヤマ場」、最初は具体的ではなかったイメージが頭の中ではっきりとその姿を表し、それを形にするために持っている力をフル回転させているときです。

このとき、人は大きな充実感の中にいます。心地よくて、楽しくて、脳が大きな快感を感じているときです。

ですから、1時間が経ったからといって、そこで終了できるわけはありません。

90分が過ぎるころ、自由なアートは終了しました。

これは小さい子どもたちも同じで、自由に取り組むことができていれば、多くの場合60分を過ぎてから鎮静に向かっていき、90分になるころに自然に終了します。

もちろん、最初からピークを迎えることはなく、緊張や戸惑いに始まり、やっていることが受け止められている、OKをもらっていることを経験してからようやくその子のアートが生まれ、持っている能力をフル回転させて楽しくなり、その子だけの作品が完成するという道を辿ります。


あおぞら色彩楽園では受付の締切を終了時間の90分前に設定しているのはこのためで、稀に「30分だけでもいいから遊んでいいですか?」と聞かれることがあります。
しかし、「30分だけね、それでおしまいだからね」と言われた子どもたちは心を解放するまでには至らず、終わらなければならないことがほとんどです。

そうなると、ちっとも楽しくないので、保護者も楽しくありません。


あおぞらスタッフたちは、自ら体験して、さまざまな声をあげてくれました。

「子どもたちは自分で使いたいもの、使いたい色を選んで、自分で決めて、その子にしかないアートを生み出す、本当にすごい!」

「絵の具の楽しさ再発見。さあざまな使い方で楽しめる子どもたちの偉大さ」

「知らず知らずに感じている何かを作らなければという呪縛、安心できる場、受け入れられる場という大前提があることで得られる解放感」

「自ら体験したことで、あおぞらの子どもたちを心から尊敬できる。描けないとき、途中でやめるということにもパワーがいるんだな」

「あの大きな画用紙にあれだけのびのび表現できる子どものパワー、本当にすごい」


特に多くの声があがったのは「子どもって本当にすごい!」、「あのパワーを邪魔しちゃいけない」でした。

子どもたちがパワーを発揮するまでの受け入れ方や待ち方のヒントがあったようです。

保護者の方々が子どもたちが解放されるまで、集中して取り組み始めるまでの時間をどうしても長く感じてしまうのは、これもまた自然なこと。

子どもたちがたどるプロセスを保護者と共有したいという気持ちを改めて強くできたようです。


さあ、春が来ました。

あおぞら色彩楽園再開です。

子どもたちを心からすごい、偉大だと感じているスタッフたちが公園で待ってます!

2026年1月のあおぞらレポート②~心を守る

1月のあおぞら色彩楽園の第一部は「命を守る」をテーマに救急法のスタッフ研修、第二部は「心を守る」として、いつもの自由なアートスペースに加えて「災害と子どもの心のケア」ミニレクチャーを行いました。


あおぞら色彩楽園のはじまりは阪神・淡路大震災のときの絵による子どもの心のケアです。

1月はこのときの経験や学びをつないでいく機会でもあります。

そこで、災害が起きた時など緊急時の心のケアについてお話ししました。

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しかし、子どもの「緊急時」は災害が起きた時だけに限りません。

学校に行っていない、友だちとの関係、いじめがある、集団の中で過ごすことが苦しい、虐待、学業に関する問題などなど、子どもたちにとっては大震災クラスの災害とも呼べるさまざまな苦しいものが存在します。

中には少し見守っていると自然と解決するものもありますが、苦しい時に必要なのは自然に語れる場です。心の言葉としての子どもの絵の受け取り方、サポートの仕方などは被災した子どもたちから多くを学び、今も役立っています。


CIMG1652あおぞらスペースに集まる子どもたちは自分のスタイルで自由に表現することを体験します。
また、表現するだけでなく、表現したものを誰かが受け止めてくれることも体験します。
保護者の方々はお子さんが表現したものをありにままに受け止めることを体験します。

「体験します」と言うと簡単なことのように感じますが、これは容易ではありません。

子どもたちも保護者の方々も段階を踏んで徐々に心を開放して、絵や立体物という、その子だけの心の言葉を発し、それらを心から受け止める保護者の方々の姿が見られるようになります。


自然災害などの多くの人たちが同時に感じる「いざというとき」、子どもそれぞれの「いざというとき」に絵によるケアは今も役立っています。

おりしも、昨年子どもが自ら命を絶った数は過去最高との報道もありました。

子どもたちの心の災害は心の言葉に耳を傾けること、ありのままに受け止めることで「災害」の大きさを小さくします。

あおぞら色彩楽園はいつまでも自由なアートスペースであり続けます。

ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;