フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

あおぞらレポート

2026年1月のあおぞらレポート②~心を守る

1月のあおぞら色彩楽園の第一部は「命を守る」をテーマに救急法のスタッフ研修、第二部は「心を守る」として、いつもの自由なアートスペースに加えて「災害と子どもの心のケア」ミニレクチャーを行いました。


あおぞら色彩楽園のはじまりは阪神・淡路大震災のときの絵による子どもの心のケアです。

1月はこのときの経験や学びをつないでいく機会でもあります。

そこで、災害が起きた時など緊急時の心のケアについてお話ししました。

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しかし、子どもの「緊急時」は災害が起きた時だけに限りません。

学校に行っていない、友だちとの関係、いじめがある、集団の中で過ごすことが苦しい、虐待、学業に関する問題などなど、子どもたちにとっては大震災クラスの災害とも呼べるさまざまな苦しいものが存在します。

中には少し見守っていると自然と解決するものもありますが、苦しい時に必要なのは自然に語れる場です。心の言葉としての子どもの絵の受け取り方、サポートの仕方などは被災した子どもたちから多くを学び、今も役立っています。


CIMG1652あおぞらスペースに集まる子どもたちは自分のスタイルで自由に表現することを体験します。
また、表現するだけでなく、表現したものを誰かが受け止めてくれることも体験します。
保護者の方々はお子さんが表現したものをありにままに受け止めることを体験します。

「体験します」と言うと簡単なことのように感じますが、これは容易ではありません。

子どもたちも保護者の方々も段階を踏んで徐々に心を開放して、絵や立体物という、その子だけの心の言葉を発し、それらを心から受け止める保護者の方々の姿が見られるようになります。


自然災害などの多くの人たちが同時に感じる「いざというとき」、子どもそれぞれの「いざというとき」に絵によるケアは今も役立っています。

おりしも、昨年子どもが自ら命を絶った数は過去最高との報道もありました。

子どもたちの心の災害は心の言葉に耳を傾けること、ありのままに受け止めることで「災害」の大きさを小さくします。

あおぞら色彩楽園はいつまでも自由なアートスペースであり続けます。

2026年1月のあおぞらレポート①〜命を守る

神戸の1月は命を考える月。
6,400人あまりの尊い命を失った「あの日」を思い、何より命が大切なこと、一人一人の存在が大切なことを改めて感じ、大切な人を守るための物の準備やスキル、知識を見直すときです。
あおぞらスタッフは毎年1月に救急法の研修を受けます。
今年は「あおぞら色彩楽園開催中に地震が起きたら」がテーマでした。
公園であおぞら色彩楽園開催中に地震など災害が起きた時を想定して、まず、やらなければならないことは何か、どうやって揺れが収まるのを待つか、もし、誰かがケガをしていたら?呼吸が止まっていたら?
神戸ライフセービングクラブに来ていただいて、2時間みっちり研修を受けました。
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研修は想像力をフル回転させて優先順位を確認したり、バッグバルブマスクで肺に空気が入ってくることを体験をしたり、時間が足りなくなるほどでした。
いつものことですが、あおぞらスタッフはとても熱心に研修を受けます。
学ぶときも大掃除のときも、もちろん「あおぞら」開催中も楽しむことができるのがすばらしいところです。
こんなときはどうするの?とあらゆるケースを想定して、講師の先生方を質問攻めにしていました。
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子どもたちそれぞれのアートが発するメッセージを受け止めていると、それぞれの存在そのものがどれほど尊いかを感じます。
何ができるか、やれるかではなく、そこにいることそのものが大切で、守られなければならない命です。
だからこそ、あおぞらスタッフは、それぞれの作品を大切にし、作品が発する心のメッセージを大切にしています。
神戸の「あの日」から31年。
あおぞら色彩楽園も32年目のスタートをきりました。
様々な準備を整えて、「あおぞら」は今年も絵という子どもたちの心の言葉に耳を傾けます。

11月のあおぞらレポート〜30年の感謝を込めて

11月はじっとしていられないほど寒くなる年もありますが、この日は風もなく、日向にいると暑いと感じるくらいでした。お天気も良く、たくさんの親子を迎えて、ぽかぽかアートな日曜日になりました(11月16日 大倉山公園)


今年は色彩楽園30周年です。

30年間活動を継続てきた感謝と「あおぞら色彩楽園30周年スペシャル」のお知らせを春から少しずつ伝えてきました。

子どもたちが描いたり、色をぬったりしてくれた、色彩楽園キャラクターくますけは旗となり、30周年のお祝いケーキを飾ってくれました。

このケーキは30周年のお祝いだけでなく、様々なメッセージを象徴したものです。

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実はすっかり忘れていたのですが、昨年受けた研修で会話と描画により内面にあるものを掘り起こしていくというワークショップに参加しました。

そのときわたしの心の中は「来年は30周年だ」という思いが多くを占めていましたので、自ずと30年を振り返っていました。

振り返れば、実に多くのできごとが次々と蘇ってきました。中には久しぶりに思い出したこともあります。

これほどたくさんのことをやってこられたのは多くの支援・応援があったからに他なりません。

気がつけば、目の前の紙には30年というくねくねと曲がった長い道、その道沿いには多くの人が旗を持って応援してくれているという絵が出てきました。

何かをやったというより、たくさん応援をもらった30年だったこと、応援の裏側には活動に対する理解や共感がしっかりとあったことを改めて噛み締める機会になったことをケーキをつくった後で思い出しました。


言うまでもなく、色彩楽園はスタッフだけでなく、集まってくださる子どもたちや保護者の方々、色彩楽園サポート会員、その他様々な形で応援してくださっている多くの方の力で活動を継続しています。その「たくさんの応援」を表したのがわたしの絵の中に出てきた旗であり、ケーキに飾った旗です。

旗に登場したくますけは、子どもたち一人一人のアートがあること、そしてそれぞれの個性、カラー、スタイル等々たくさんの「その子だけのもの」を表しています。


色彩楽園は子どもたち一人一人の個性やカラー、スタイル、そしてそれぞれのアートを30年間ずっと大切にしてきました。

それぞれのアートは、まさに子どもたちそのものです。

子どもそれぞれのやり方、感じ方、表現の仕方を尊重することがそれぞれのアートを尊重することにつながり、ひいては子どもたちそれぞれを尊重することにつながります。

このことが心を解放してセルフエスティームを高め、多角的な「健康」の土台となります。

健康であるとき、個性がさらに輝き、持っている能力が伸びると考えているからこそ、一人一人の作品の声を聞き続けてきました。

子どもたちに健康に成長してほしいという願い、そして多くの方々の応援、こうしたとてもたくさんのことを象徴した旗でした。


CIMG1317この日はケーキだけでなく、久しぶりに大きな立体画用紙も登場させました。

家族みんなで立体画用紙を囲んで、ゆったりと、しかし目の前の色や形に集中している光景も、これまで目指してきたものの一つです。

ポカポカと暖かい公園は多くの子どもがいるにも関わらず静かで穏やかな雰囲気に満ちて、本当に心地良いアートスペースになりました。


また、今回はアトリエOBの強力助っ人お二人が大活躍してくれました。

お二人とも今もアートに関わっておられます。終了後には「やっぱり子どもはすごいですね」と現役スタッフの時と変わらない充実した表情を見せてくださいました。

Yさん、Hさん、ありがとう!


言い尽くせぬ感謝と子どもたちの健やかな成長を願って色彩楽園は31年目となる2025年も様々なチャレンジをしました。

今年も残すところ1ヶ月です。最後まで感謝を持って走り切りたいとお思っています。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

10月のあおぞらレポート〜絵の具たのしい!

 ようやく秋らしくなって、過ごしやすい気候になってきました。10月のあおぞら色彩楽園会場はたくさんの子どもたち、保護者の方々の熱気に包まれました(10月19日 神戸真生塾子ども家庭支援センター)。


CIMG1138 10月、11月のあおぞら色彩楽園は30周年スペシャルです。

絵の具スペースには10年ぶりに立体画用紙を登場させました。色とりどりの四角いモチーフが並んだり、普段は描けない面を見上げながら絵の具をぬったり、子どもたちのアイデアで楽しい作品になりました。平面にはない世界が広がるのが立体画用紙です。


 自由に絵の具が使えることは絵の具の楽しさを引き出します。

子どもたちは探究心を持っているので、「この色とこの色を混ぜたらどうなるんだろう?」

「どうして絵の具を混ぜても色が変わんないのかな?」

「水を混ぜたら、雨みたいに流れちゃった!」

などなど、様々な使い方に自らトライします。

自発的なトライなので、「なぜ?」「どうなる?」などはとても深く、その結果がもたらす発見や驚きは強いインパクトを生みます。

思わず「うわ!」「こんなんになった!」「見て!」といった声が上がるとき、脳は活性化し、知的好奇心はふくらみ、持っている能力はフル回転!


 こんなに楽しい絵の具を「こうやって使わないとダメ!」と決められてしまうと、楽しさはなくなり、苦しいばかりです。

そればかりか、脳は快感を感じませんから「絵はきらい」、「絵の具はイヤ」と感じる体験だけが残ってしまいます。

私たちは知らず知らずのうちに自分が「知っている使い方」以外の使い方に否定的になってしまいます。

 特に対象が子どもの場合はその傾向が強く、アーティストが豪快に絵の具を撒き散らしたり、高いところから落としたりすることには「そんな使い方しちゃダメ!」とは思わないのに、子どもたちだと否定的になってしまいがちです。「知らない使い方」を見たときに「すばらしいアイデア!」「すごい発想力!」と受け止めたいですね。


IMG_5730 使いたいように使っていると、いつのまにか絵の具の特性を理解して表現に応じた使い方を身につけます。体験を通じて身につけているのでしっかりわかっているし、オリジナリティも加わって、その子どもならではの作品が生まれます。

この日絵の具をのびのびと楽しんでいたのは、0歳の小さい参加者たちも同じでした。小さい人たちの自由さもまた、子どもたちを刺激します。


 アートは楽しい!そのことをできるだけ多くの人たちに体験してもらえれば何よりです。

「楽しい!」は子どもの様々な力を伸ばします。

あおぞらレポート〜2025.9.21

 長く続いた夏でしたが、急に涼しくなりました。9月のあおぞら色彩楽園は春にご案内した通り屋内開催となりました(9月21日 神戸真生塾子ども家庭支援センター)

昨年までは天候不良や熱中症警戒アラートが発出された場合のみ屋内で開催していましたが、屋内会場はどうしても公園よりも参加者が少なくなります。しかし、最近の夏の厳しい暑さを考えると、夏の間は屋外での開催が難しく、屋内で開催せざるを得ません。

活動開始から30年の間、目の前にどれだけ高い壁が現れても決してひるまないあおぞらスタッフは「だったら屋内ならではの魅力を生み出そう!」。


 屋内開催の長所は風や気温などの影響受けずに取り組めるところです。参加者が少なくなることもネガティブな要素ではなく、一人ひとりとじっくり関われるチャンスです。

この日も参加してくれた子どもたちにじっくり関わり、保護者の方々ともゆっくりお話しすることができました。

びっくりするほどたくさんの絵を描いた男の子もいましたし、終了時間前に声をかけると「えー、絵の具もしたかったのにー」と言ってくれた女の子もいました。

それぞれが自分で選んだ画材、素材、材料、色や形を楽しむ姿は、誰もが堂々としていて、「これがわたし!」と言ってくれているようでした。


 けれども、この日いちばんのトピックスは、「大人のカラーヒーリング」スペースでした。大人用に別に画材を置いたテーブルを用意できたのは屋内会場ならではです。子どもたちが描いたりつくったりしている間、このテーブルでお父さん、お母さんも色を楽しんでもらおう、集中してもらおうと新しく設置しました。

ぬりえに取り組み始めていたお母さんたちに<はみだしOKです>と声をかけると、「え~、はみだすのはやだなぁ」

<では、はみださずにぬりましょう>


 お母さんたちは、すぐに自分の目の前にある色に集中していて、しばらくするとテーブルは心地よい表現エネルギーに包まれていました。これは子どもたちが夢中で作品に取り組んでいる時にも時々生じるものです。会場全体を見渡すと、大人のテーブルから発せられる表現エネルギーと子どもたちのスペースから生まれている穏やかな空気とが調和良く受け止め合っているようで、なんとも言えない心地よい空間ができあがっていました。

時間中ずっとぬりえに取り組んでいたお母さんのおひとりは「もう一心不乱に(色を)ぬっていました。時計なんて見ませんでした!」と、とても充実した笑顔を見せてくださいました。


 色は光のエネルギーです。画材を使うと私たちの内面にあるさまざまなものが色になって心の外に出てきたり、そのときに必要な色が私たちをリラックスさせてくれたりもします。ぬりながら頭に浮かんでくること、思い出すことも問題解決のためのとても大事な鍵です。


 保護者のみなさま、屋内開催の際にはぜひ「大人のカラーヒーリング」スペースへどうぞ!保護者の方々も子どもたちも「あおぞら」でスッキリしてもらえれば、何よりです。

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ギャラリー
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  • 10月のあおぞらレポート〜絵の具たのしい!
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;