こんにちは!くますけです!
さわやかな日が続いています。あちこちに紫陽花の花も眼にするようになりました。
今回は阪神・淡路大震災から10年の時が経ち、震災後に歩んできた道をようやく振り返ることができるようになってきたように感じていたころの震災復興モデルについてお話しします。
1995年、神戸の街が揺れてライフラインが断たれ、生活や仕事の再建に奔走した大人たち。
子どもたちがいつもにまして「だっこして!」と言えない日々が続きました。
抱え込んでしまった恐怖や不安、やりきれなさ、そして言葉にならない気持ちは、いつか心のバランスを崩してしまいます。
わたしたちはクレヨンや色鉛筆を持って子どもたちのもとへ行かずにはいられませんでした。
冷たい避難所や公園で子どもたちは驚くほどたくさんの絵を描きました。心の中にある様々な想いを色に代え、形に代えて画用紙の上に表し、絵という心の言葉を語ってくれました。
心の中に閉じこめたものを表現する姿には、未来に向かって歩もうとするエネルギーが満ちあふれていました。
それは私たちを癒し、希望を感じさせ、神戸復興の隠れた原動力にもなりました。
そんな10年間の歩みに希望と感謝を込めて震災復興モデルは誕生したんです。
この企画はカンペール社と色彩楽園のコラボレーションによって実現しました。メンズ、レディスの2パターンの展開です。どちらも片方は被災した子どもたちが描いたショックや驚きを、そしてもう片方は10年という時が経って表現された「ありがとう!」や「希望をすてないで!」と言ったメッセージを表した作品がプリントされていて、「1995」と「KOBE」の文字も入っています。
カンペール社はスペインの老舗シューズメーカーで、色鮮やかなユニークなデザインのモデルを生み出していることでも有名です。このコラボレーションを企画してくださったKさんは、当時こんなことを語ってくれていました。
「突然訪れた悲しい出来事の中に、今まで感じなかった隣人の優しさや、遠くに住む友の無性な愛情、冷めた若者のボランティアへの熱い関心や、その無償な行動・・。
”人間”って捨てたもんじゃないよね・・と、生活ラインの復旧を今か今かと待つ中、胸を熱くしたことを思い出します。
そして、あれから10年。自分たちのできることを一生懸命少しずつ積み上げ、大震災のことを消し去りながら生きてきたような気がする。いや、この出来事があまりにも悲しすぎて思い出したくなかったというのが正直なところかもしれない・・・。
しかし、この10年目を迎えるにあたって、阪神大震災を葬り去るのではなく、そこから学んだメッセージを伝えていく責任があることを気付かされた。
人ってすばらしいよね。ってことと、自分たちの出来ることを少しずつすれば前に進める。ってこと。
(中略)1995年。大きな揺れる大地に心を閉ざした子どもの絵から表現された恐怖感。でも、2005年の今はありがとうと微笑むことが出来たこと。camper社が子どもの繊細な心を、瓦礫から足を保護してくれた”靴”を通して表現してくれている。
自然災害や戦争や悲しいことの多い中、いつも傷つく子どもたち。
でも、大人たちがしっかり見守り、手をとり、しっかり歩いていけば必ず素敵な未来が待っていること。そんなメッセージをこの企画を通して伝えることが出来れば素敵だなと思います。」
被災した神戸の子どもたちは絵を描いて元気になりました。
子どもの中にはショックを乗り越え、勇気と愛を自らの中に育てる力が潜んでいます。
子どもたちが子どもたちを支えるー子どもには、そんなことまでもやってのける力があります。
この震災復興モデルは一部のカンペール店や各地のデパートなどで販売されて、収益はすべて子どもを守る団体に寄付されました。
30年という時を経た今、震災の体験を通して、また、その後の様々な活動を通して、わたしたちは子どもが心を解放し、心の言葉を話す場があることが子どもの心を安定させて、個を充実させ、それぞれが持つ力を育てることを再確認しました。
自然災害や紛争、事件、事故などにより苦しんでおられる方々をはじめ、多くの方々に子どもが持つ無限の力が、いつもわたしたちに希望を与えてくれていることを少しでもお伝えできればと願って誕生した靴、Kobe Twinsです。