フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

色彩楽園30年

11月のあおぞらレポート〜30年の感謝を込めて

11月はじっとしていられないほど寒くなる年もありますが、この日は風もなく、日向にいると暑いと感じるくらいでした。お天気も良く、たくさんの親子を迎えて、ぽかぽかアートな日曜日になりました(11月16日 大倉山公園)


今年は色彩楽園30周年です。

30年間活動を継続てきた感謝と「あおぞら色彩楽園30周年スペシャル」のお知らせを春から少しずつ伝えてきました。

子どもたちが描いたり、色をぬったりしてくれた、色彩楽園キャラクターくますけは旗となり、30周年のお祝いケーキを飾ってくれました。

このケーキは30周年のお祝いだけでなく、様々なメッセージを象徴したものです。

CIMG1284


実はすっかり忘れていたのですが、昨年受けた研修で会話と描画により内面にあるものを掘り起こしていくというワークショップに参加しました。

そのときわたしの心の中は「来年は30周年だ」という思いが多くを占めていましたので、自ずと30年を振り返っていました。

振り返れば、実に多くのできごとが次々と蘇ってきました。中には久しぶりに思い出したこともあります。

これほどたくさんのことをやってこられたのは多くの支援・応援があったからに他なりません。

気がつけば、目の前の紙には30年というくねくねと曲がった長い道、その道沿いには多くの人が旗を持って応援してくれているという絵が出てきました。

何かをやったというより、たくさん応援をもらった30年だったこと、応援の裏側には活動に対する理解や共感がしっかりとあったことを改めて噛み締める機会になったことをケーキをつくった後で思い出しました。


言うまでもなく、色彩楽園はスタッフだけでなく、集まってくださる子どもたちや保護者の方々、色彩楽園サポート会員、その他様々な形で応援してくださっている多くの方の力で活動を継続しています。その「たくさんの応援」を表したのがわたしの絵の中に出てきた旗であり、ケーキに飾った旗です。

旗に登場したくますけは、子どもたち一人一人のアートがあること、そしてそれぞれの個性、カラー、スタイル等々たくさんの「その子だけのもの」を表しています。


色彩楽園は子どもたち一人一人の個性やカラー、スタイル、そしてそれぞれのアートを30年間ずっと大切にしてきました。

それぞれのアートは、まさに子どもたちそのものです。

子どもそれぞれのやり方、感じ方、表現の仕方を尊重することがそれぞれのアートを尊重することにつながり、ひいては子どもたちそれぞれを尊重することにつながります。

このことが心を解放してセルフエスティームを高め、多角的な「健康」の土台となります。

健康であるとき、個性がさらに輝き、持っている能力が伸びると考えているからこそ、一人一人の作品の声を聞き続けてきました。

子どもたちに健康に成長してほしいという願い、そして多くの方々の応援、こうしたとてもたくさんのことを象徴した旗でした。


CIMG1317この日はケーキだけでなく、久しぶりに大きな立体画用紙も登場させました。

家族みんなで立体画用紙を囲んで、ゆったりと、しかし目の前の色や形に集中している光景も、これまで目指してきたものの一つです。

ポカポカと暖かい公園は多くの子どもがいるにも関わらず静かで穏やかな雰囲気に満ちて、本当に心地良いアートスペースになりました。


また、今回はアトリエOBの強力助っ人お二人が大活躍してくれました。

お二人とも今もアートに関わっておられます。終了後には「やっぱり子どもはすごいですね」と現役スタッフの時と変わらない充実した表情を見せてくださいました。

Yさん、Hさん、ありがとう!


言い尽くせぬ感謝と子どもたちの健やかな成長を願って色彩楽園は31年目となる2025年も様々なチャレンジをしました。

今年も残すところ1ヶ月です。最後まで感謝を持って走り切りたいとお思っています。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

夏の風物詩 おもいっきりおえかき大会〜くますけがひもとく色彩楽園30年

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 こんにちは!くますけです!

今日で夏休みも終わりのお友だちも多いいんじゃないかな。
明日から学校が始まるけれど、まだまだ暑くて、公園の遊具もさわれないほどだね。

今年は特に暑くて、毎日のように熱中症警戒アラートが出て、なかなか外で遊べないね。
あおぞら色彩楽園も今年から夏のあいだはお部屋の中で開催しています。


でも、以前のあおぞら色彩楽園では夏の間がいちばんダイナミックに絵の具をまきちらして遊んでたんだよ。
1997年に始まった「おもいっきりおえかき大会」は2015年まで毎夏開催していました。
長い画用紙にたっぷりの絵の具を用意したり、巨大ぬりえをつくったりして夏休みの特別プログラムでした。
2001年には初代ロータリー子どもの家を解体することになっていたので床も壁も天井も、建物をまるごとぬりえにして、約200名の参加者を迎えたこともありました。

スキャン 1おもいっきりおえかき大会の始まりは、阪神・淡路大震災から2年がたっていても、子どもが心に受けたダメージはまだまだ心配で、心を解放するきっかけとなる場をつくりたかったからです。

公園でダイナミックに絵の具が楽しめるように特別に「おもいっきりおえかき大会」と名前をつけて、絵の具で爆発してもらえるよう毎年いろいろなアイデアを盛り込みました。
なんと言っても、みんなが興味を持ったのは立体画用紙!
画用紙っていうと平面なんだけど、上からも横からもいろんな方向から描ける画用紙を用意していました。

長い間続いた、おもいっきりおえかき大会について藤井さんに聞いてみました。

 「おもいっきりおえかき大会は2015年に最終回を迎えました。
振り返れば、子どもが言葉にできない、言葉にならない気持ちをたくさんの色水や形にはならない絵で表現してくれていたと思います。
ダイナミックに絵の具をぶつける姿には、すべての子どもが持つ明日に生きるエネルギーを感じましたし、ダイナミックな作品、子どもたちの弾ける笑顔に保護者の方々もエネルギーをわけてもらったのでは、と思っています。

大会がなくなったことは、特に心の健康への関心が高まり、ある意味子どもを取り巻く環境が以前とは違う形で整ってきたこともあるのかもしれません。

こうした場は、やはり必要だと思うけれど、地球温暖化による気温の上昇で夏に屋外で遊べなくなっています。このことは、子どもの体の健康の面からも社会的な面からも子ども時代の経験という面からも、そして心の健康の面からも少々心配しています。

また、おもいっきりおえかき大会は多くの方々のご協力とボランティアスタッフの熱い想いがつまったイベントでした。
多くの方々と共に子どもたちの健康を支える一助となれたことは心から感謝しています」。


 大会はなくなったけれど、おもいっきりやりたいことができるスペースは今も神戸で続いています。これからのあおぞら色彩楽園も楽しみです!


LDセンター夏休み親子アート講座

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こんにちは!くますけです!

毎日暑いね。でも、涼しい時間は外でしっかり遊ぼう!セミたちも鳴いてるよ。

夏休みに入ってすぐ、今年も大阪医科薬科大学LDセンターで夏休み親子アート講座を開催しました。


DSCF0062 大阪医科薬科大学LDセンター(以下、LDセンター)で最初のおえかき大会を開催したのは2002年です。建物が古くて、少し暗かったので、廊下の壁やドアに絵を描きたいというリクエストを受けました。

そこで、1階は海を、2階は地上と空を表す大きなぬりえを壁につくって、センターの子どもたち、保護者の方々に好きな色にぬってもらって、LDセンターまるごとおえかきを楽しんだんです。廊下には大きなクジラが登場したし、すべてのドアに絵を描いたので、みんな「自分の部屋はヤドカリの部屋」というように覚えてくれて、LDセンターの雰囲気は変わりました。


 その後、毎年夏になると、アート・イベントを開催するようになりました。

LDセンターの看板をみんなでつくったり、一日美術展を開催したりしたこともあったけれど、新型コロナウィルスの影響を受けてからは少人数のアート講座として開催しています。

親子アート講座の目的は自由なアートを体験すること、自由に表現したものが受容されることを体験をすることで、保護者の方々には子どもの絵の意味を再確認してもらって、表現されたものすべてを受容する機会にしてもらっています。


 講座に参加してくれる子どもたちは、どの子もとても一生懸命です。最初のオリエンテーションで、どんなふうに遊ぶかを説明すると、みんな一様に真剣に聞いてくれます。

そして、オリエンテーションで「失敗はOK!」と言うと、多くの子どもたちは戸惑っちゃいます。「え~!?」と言う声が上がることもあるんだよ。いつもは失敗すると叱られたり、笑われたりしちゃうのかなぁ。


 みんな最初はとても緊張しているけれど、どんな色をぬっても、何を描いても、つくっても、その表現の良いところを説明してくれるので、どんどん楽しくなって、自由になっていくんだよ。

自由になっていくと、Sちゃんは笑いが止まらなくなっちゃったし、Kちゃんは思わず踊り出したりして、LDセンターの一日だけのアトリエはパーティー会場みたいでした。

自由になったら、それぞれが持っている力をたくさん見せてくれて、その子にしか生み出せないアートが誕生!

最初の緊張感がある作品とは全然違う作品が生まれるんだ。


 講座のスタッフのコタキさんも「あ~、楽しかった~!めっちゃ勉強させてもらった~!」。

そう、アート講座は担当するスタッフもとっても楽しいんです。みんなが自由になっていくことも楽しいし、勉強することも楽しいよね。


 アート講座も23年続きました。早くも来年の講座はどんなふうにしようかと考えています。

LDセンターの子どもたち、保護者の皆さん、そしてスタッフのみなさん、今年もありがとうごじました。

来年もよろしくお願いします。

被災した子どもたちからの贈りもの

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こんにちは!くますけです!

阪神・淡路大震災で被災した子どものケア活動から誕生した色彩楽園。当時の活動は今も「あおぞら色彩楽園」として続いています。

今回は大震災直後の子どもたちの表情を切り取った写真のお話です。


1995年、藤井さんたちは絵を描いたり色で遊んだり、おんぶしたり、おすもうをとったりして、被災した子どもたちと共に過ごし、語りの場としての「おえかきやさん」を開催しました。

そのときの子どもたちを藤井さんは写真に撮ったそうです。

大震災から一年、子どもたちの写真は2,000枚を越えました。

当時のことを藤井さんに聞いてみました。


>どうして、そんなにたくさん写真を撮ったの?

「最初は写真なんて撮る余裕もなかったし、被災した子たちを撮るなんて、やっちゃいけないって思ってたんだけど、当時出会った子たちは心に受けたダメージを外に出して元気を取り戻そうとする、未来に生きる大きなパワーがみなぎっていたんです。なので、シャッターを切らずにはいられませんでした。そう、なんだか不思議な力を感じて、1年間もう夢中で写真を撮り続けました」


>この、たくさんの写真を見ていると、なんだか嬉しくなるね!

「うん、機会をいただいて写真展も開催したんだけれど、それは子どもの再生力や回復力が強く感じられたので、それをできるだけ見てもらいたいと思ったから。来てくれた方々からは「ありがとう!神戸の子どもたち!元気が出たよ!」という感想がたくさん寄せられたんです。

まさに神戸を元気にしたのは、この子たち!っていうメッセージを込めました」


その後これらの写真はずいぶん長い間眠っていたんだけど、今年は震災から30年と言う節目でもあるので、当時の子どもの写真パネル54点を阪神・淡路大震災 人と防災未来センターに寄贈しました。

大きな被害を受けた中で子どもたちがどんな風に過ごしていたのか、どんな表情を見せてくれていたのか、「貴重な資料になります」と言ってくださいました」


>当時の子どもたちのことをどんな風に感じてるの?

「私たちは子どもたちが残してくれた作品からとてもたくさんのことを学びました。

心にダメージを受けた子どもがどんな形でその苦しさを表現するのか、作品や子どもの行動にはどんなメッセージがあるのか、どんな回復過程を踏むのか、など、今の子どもたちにも活かされている多くの大切なことを教えてもらいました。

そして何より、活動を振り返る度に感じたのは、私たちの方が子どもたちに元気にしてもらっていたということです。


この子たちがいたから、私たちは希望を感じることができた。

この子たちのパワーを感じて、私たちはがんばれた。

この子たちに大切なことを全て教わった。

もう、本当に感謝しかありません」


30年前の子どもたちが今の子どもたちを支えているんですね。

当時の写真パネルは大切に保管され、防災、減災はもとより、子どものケア活動にも活かされます。

9ないしょだからね

復興の原動力は子どもたち〜震災復興モデル

くまものがたりロゴ6

こんにちは!くますけです!

 さわやかな日が続いています。あちこちに紫陽花の花も眼にするようになりました。
今回は阪神・淡路大震災から10年の時が経ち、震災後に歩んできた道をようやく振り返ることができるようになってきたように感じていたころの震災復興モデルについてお話しします。


 1995年、神戸の街が揺れてライフラインが断たれ、生活や仕事の再建に奔走した大人たち。
子どもたちがいつもにまして「だっこして!」と言えない日々が続きました。
抱え込んでしまった恐怖や不安、やりきれなさ、そして言葉にならない気持ちは、いつか心のバランスを崩してしまいます。
わたしたちはクレヨンや色鉛筆を持って子どもたちのもとへ行かずにはいられませんでした。

 冷たい避難所や公園で子どもたちは驚くほどたくさんの絵を描きました。心の中にある様々な想いを色に代え、形に代えて画用紙の上に表し、絵という心の言葉を語ってくれました。
心の中に閉じこめたものを表現する姿には、未来に向かって歩もうとするエネルギーが満ちあふれていました。
それは私たちを癒し、希望を感じさせ、神戸復興の隠れた原動力にもなりました。

 そんな10年間の歩みに希望と感謝を込めて震災復興モデルは誕生したんです。


 この企画はカンペール社と色彩楽園のコラボレーションによって実現しました。メンズ、レディスの2パターンの展開です。どちらも片方は被災した子どもたちが描いたショックや驚きを、そしてもう片方は10年という時が経って表現された「ありがとう!」や「希望をすてないで!」と言ったメッセージを表した作品がプリントされていて、「1995」と「KOBE」の文字も入っています。

 カンペール社はスペインの老舗シューズメーカーで、色鮮やかなユニークなデザインのモデルを生み出していることでも有名です。このコラボレーションを企画してくださったKさんは、当時こんなことを語ってくれていました。


「突然訪れた悲しい出来事の中に、今まで感じなかった隣人の優しさや、遠くに住む友の無性な愛情、冷めた若者のボランティアへの熱い関心や、その無償な行動・・。
”人間”って捨てたもんじゃないよね・・と、生活ラインの復旧を今か今かと待つ中、胸を熱くしたことを思い出します。


そして、あれから10年。自分たちのできることを一生懸命少しずつ積み上げ、大震災のことを消し去りながら生きてきたような気がする。いや、この出来事があまりにも悲しすぎて思い出したくなかったというのが正直なところかもしれない・・・。

しかし、この10年目を迎えるにあたって、阪神大震災を葬り去るのではなく、そこから学んだメッセージを伝えていく責任があることを気付かされた。

人ってすばらしいよね。ってことと、自分たちの出来ることを少しずつすれば前に進める。ってこと。


(中略)1995年。大きな揺れる大地に心を閉ざした子どもの絵から表現された恐怖感。でも、2005年の今はありがとうと微笑むことが出来たこと。camper社が子どもの繊細な心を、瓦礫から足を保護してくれた”靴”を通して表現してくれている。


自然災害や戦争や悲しいことの多い中、いつも傷つく子どもたち。

でも、大人たちがしっかり見守り、手をとり、しっかり歩いていけば必ず素敵な未来が待っていること。そんなメッセージをこの企画を通して伝えることが出来れば素敵だなと思います。」


 被災した神戸の子どもたちは絵を描いて元気になりました。
子どもの中にはショックを乗り越え、勇気と愛を自らの中に育てる力が潜んでいます。

子どもたちが子どもたちを支えるー子どもには、そんなことまでもやってのける力があります。

 この震災復興モデルは一部のカンペール店や各地のデパートなどで販売されて、収益はすべて子どもを守る団体に寄付されました。


 30年という時を経た今、震災の体験を通して、また、その後の様々な活動を通して、わたしたちは子どもが心を解放し、心の言葉を話す場があることが子どもの心を安定させて、個を充実させ、それぞれが持つ力を育てることを再確認しました。

 自然災害や紛争、事件、事故などにより苦しんでおられる方々をはじめ、多くの方々に子どもが持つ無限の力が、いつもわたしたちに希望を与えてくれていることを少しでもお伝えできればと願って誕生した靴、Kobe Twinsです。


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ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;