フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

あおぞら色彩楽園

あおぞらレポート〜2026.7 ほんとにいいのかな?

本当に今年の暑さは厳しいです。7月のあおぞら色彩楽園は熱中症警戒アラートが出されたため、屋内での開催となりました(7月19日 神戸真生塾子ども家庭支援センター)


CIMG2937初めて参加してくれたSちゃんとKくんの姉弟は、はじめはちょっぴり緊張した様子でした。

それでも、「これがしたい!」とKくんは大きな画用紙に絵の具をぶつけ始めました。
さまざまな色が混ざって深みのある黒が広がる作品に取り組んでいたKくんは時間が経つにつれて、のびのびとした様子で作品はダイナミックな表現になっていきました。

お姉ちゃんのSちゃんはと言えば、選んだぬりえを色鉛筆で時間をかけて、とても根気良くぬっていました。時々声をかけると、黙って頷いてくれます。

けれども、Kくんの様子が気になって仕方がないようで、「あんなふうに絵の具を使っていいの?」「形がなくてもいいの?」「ちゃんとやらなきゃ、ダメじゃない?」とでも言いたいように見えました。

使いたい色をぬりつくしたKくんはSちゃんがいた場所に行って、同じようにぬりえに色をぬり始めました。その後、気がつけばSちゃんは大きなおえかきボードの前に座って絵の具をさわり始めてニコニコしていました。


きょうだいでの参加の場合、弟や妹が自由に表現している姿を見て、お兄ちゃんやお姉ちゃんがようやく本当にやりたいように取り組む姿が見られることは珍しくありません。

画材や道具、工作材料を使いたいように使っても、形のない作品になっても注意を受けない、むしろ褒められたり、面白がられたりしているのを見て「いいのかな」と思い始めて、恐る恐る自分もやってみます。すると、やはり褒められたり、面白がられたりするので、やっぱり、やりたいようにやってもいいんだ!と確信を持って、ようやく自由になります。こうしたときは弟や妹が良いモデルとなっています。


自分のスタイルで表現すること、表現したものが受容されることが確認できると、子どもたちは自由になって、一層力を発揮してくれます。

8月はスタッフ研修のため、あおぞら色彩楽園はお休みします。

9月になったら、また自由なアートスペース「あおぞら色彩楽園」へどうぞ!

厳しい暑さの夏休み、みんなどうぞ安全で楽しい夏を過ごしてね。

6月のあおぞらレポート〜水遊び大好き!

6月はいつもお天気が心配ですが、前日までの激しい雨が上がり、無事に公園で開催することができました。

公園で遊んでいる子どもはいつもより少ないようでしたが、初めて参加してくれた子どもたちもいて、それぞれのアートを楽しみました(6月21日 大倉山公園)。


初めて参加する子どもたちは緊張しています。そして、横にいるお父さんやお母さんも緊張しています。

子どもたちは「どうしたらいいのかな」、「絵を描かなきゃいけないのかな」など、戸惑っていますし、お父さん、お母さんも「ちゃんとできるのかしら」、「これでいいのかしら」とドキドキしているようです。


この日初めて参加してくれた3歳のTくんは、おしゃべりが上手で「受け付けに来ました!」、「これは何に使いますか?」とハキハキしていました。

Tくんの隣でニコニコしながら助手を務めていたお母さんにも画用紙を薦めると、少し戸惑った様子を見せながらも、しばらくすると絵の具でペタペタと色をのせ始めました。

その頃は、ちょうど最初は慎重に筆で色をぬっていたTくんが水を持って来ては絵の具トレイにじゃぶじゃぶと水を流して大胆に水遊びを始めたころでした。

そんなTくんの様子を見て、「やっぱり、こうなっちゃったねー」とお母さんは相変わらずニコニコしています。

Tくんの水遊びが先か、お母さんが絵の具を楽しみ始めたのが先かはわかりませんが、ほぼ同じようなタイミングだったのでは、と思います。


CIMG2753特に年齢の低い子どもは絵の具を使うと色水遊びになることがよくあります。

絵の具を混ぜると色が変わること、絵の具が水に溶けることを知り、色水を空き箱に入れると漏れてくること、そして、何より水の感覚の気持ちよさを知ります。

あおぞら色彩楽園は屋外なので、大胆に水遊びができるところも魅力です。

子どもたちは、こうして絵の具と水で遊びながら知的欲求を満たし、絵の具の特性を知ります。

そして、次第に心を解放します。心が解放されたとき、子どもたちは力を発揮します。


子どもの心が解放されると、作品は、その子にしか表現できないものになっていきます。

そうなってくると、子どもの集中力は高まり、よりいっそう知的好奇心がかき立てられて、少々難しいことにもどんどんチャレンジします。


お父さんやお母さんが絵の具を楽しいと感じているとき、その空気はお子さんにも伝わります。

まずは「絵の具の使い方」よりも絵の具の楽しさを体験してほしいと思っています。

お父さん、お母さんにはご自分の記憶を辿って絵の具が楽しいと感じた経験を思い出していただきたいですね。

絵の具は描いてもさわっても楽しくて、心にぴったりな色を生み出してくれる、魔法のような画材です。

さあ、夏がやってきます。

今月も公園で待っています!
(本文と写真は関係ありません)

5月のあおぞらレポート〜成長が嬉しい再会は最高の贈り物

 気候の良い5月は公園でのアートを楽しむのにぴったりです。ピカピカのお天気の下、公園にはたくさんの子どもたちが集まってくれました(5月17日 大倉山公園)


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 この日はギャラリーに並んだ作品を熱心に見ている男性の姿がありました。
「ここの作品はすごいですね。本当にアートですね」と感嘆した様子で、神戸の震災での心のケア活動から始まったと知ると、「30年前から心のケア、とても早い取り組みだったんですね」。
 ご自身も絵を描かれるとのことでしたし、3月に立ち寄ってくださったアーティストの方も「ここにはアートがある!」とおっしゃいました。
いつも感じることですが、自由に、のびのびと表現された作品には力があります。

 さて、子どもたちは4月のはりきり月が終わって、5月の半ばごろからそろそろおつかれモードに入ります。

この時期から6月ごろまでに見せる疲労は、新学期をとてもがんばった証拠なので、あまり心配しなくてもよいことがほとんどですが、それでも、体調不良で保健室に行く子どもが増えるようです。

多くの子が疲れていて余裕がないので、小さなトラブルが起こりがちで、子ども同士の諍いが増えたりもします。

 そんな中、公園の自由なアートスペースに来てくれた子どもたちは、ダイナミックに絵の具を使ったり、立体作品に夢中で取り組んだりして春のお疲れを吹き飛ばしてくれたようでした。

のびのびとアートを楽しんでいるときの子どもたちは、実にリラックスしているし、楽しそうです。


 また、今回多かったのは「久しぶりに来ました」や、「お兄ちゃんの時に来てたんですけど、もう大きくなって。今日は末っ子です」といった声です。
中には数年ぶりに来てくれた子もいました。
そんな子たちに「あ、久しぶりじゃない?」と声をかけると、ホッとしたように、安心したように笑顔を見せてくれます。


 振り返ってみると、「そう言えば毎月のように来てくれていた、あの子はどうしたのかな」と思うことがあったり、お母さんの姿を見なくなって、お父さんとお子さんだけの参加が続いたりすることもあります。

 すると、数年経って新しく増えたきょうだいと一緒に来て、すっかりお兄ちゃん、お姉ちゃんになった姿を見せてくれることもあって、もう、驚きと嬉しさでいっぱいです。

 お母さんのお腹が大きくなって参加できなくなり、その後新しく増えたファミリーの一員が公園い遊びに来られる年齢になると、時が経っていても「あおぞら」のことを思い出してくれて、また、遊びに来てくれるーこんな嬉しいことはありません。

 お母さんたちは、「あおぞら」のことをしっかり覚えてくれていて、「調べてみたら、やってるってわかったので」と笑顔を見せてくださいます。


 何年かぶりの参加は少なくありません。これは、大切に思うことを大切にし続けて活動を継続しているからこそでしょう。

そして、時間が経っても覚えていてくださるのは、ここでの体験が何か心に残るものだったからかもしれません。

 ですから、「お久しぶり」さんに会えることは、この活動を心に残しておいてくれていたんだと胸が熱くなるし、なにより、成長した子どもたちに会えると言う、私たちにとってはなんとも贅沢な、貴重な機会です。

 さらには、「一年間だけ」や「小学生まで」ではなく、裸になって絵の具で遊んでいた幼児期から作品も成長する学童期、そしてすっかり大人になった青年期と長い間子どもの育ちに寄り添うことができて、私たちは多くのことを学びます。


 もちろん、阪神大震災からずっと活動を継続できているのは、参加してくれる子どもたち、ご家族をはじめ、多くのお支えがあるおかげなのは言うまでもありません。
今年も神戸市社会福祉協議会善意銀行様より助成も決定していただきました。
あおぞら募金だけで開催しているので、本当にありがたく、感謝しています。


春の疲れがピークになる6月も思い切りアートを楽しみ来てください。

公園で待っています!

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4月のあおぞらレポート

はりきり4月!


 すっかり暖かくなってツツジが咲き始めた大倉山公園で4月のあおぞら色彩楽園を開催しました(4月19日)。


 4月の子どもたちは、はりきりモードです。受付で6歳と聞いて「1年生?」と聞くと「1年生です!」と元気な声を返してくれる子や照れくさそうにうなずく子もいます。
思わず「おめでとう!」と言うと、ちょっぴり恥ずかしそうに、それでもとても嬉しそうな表情を見せてくれます。
2年生以上の子どもたちも新学期を迎えて、気持ちも新たに高まるエネルギーを隠しきれない様子です。

子どものアトリエでも4月は学校の話がたくさん出ます。

「3年生になった!」

「今度の担任の先生、ダジャレが好き!」

「隣の組の先生、めっちゃこわい!」

3月までとは違う教室、担任の先生や友だち、教科書やノートなど、子どもたちを取り巻く環境には新しいことがたくさんで、一学年上がって新しいステージが始まったと感じるには十分です。


 この時期はエネルギーが高まっているので、意欲的で集中力も高く、初めてのことや、少々難しいことにチャレンジする姿も多く見られます。

とりわけ、1年生たちにとっては「小学生になった」ことは、とてもお兄さん、お姉さんになったことであるようで、ピカピカのランドセルを背負っている姿からは大きなエネルギーが発せられて、体より大きなランドセルにもちっとも負けていません。

はりきりモードなので、「やってみたい!」と言う声もたくさん出ます。実に頼もしく、チャレンジ精神いっぱいで私たちスタッフも嬉しくなります。


CIMG2362 しかし、初めての場で緊張感がありありと伝わってくる子どももいます。

初めての参加で、お母さんから「やる?」と聞かれて躊躇する様子が見られるとき、あおぞらスペースでの約束事を子どもたちに伝えます。

好きなものを描いていいこと、

好きなものを作っていいこと、

使いたい色を使っていいこと、

そして、失敗はOKなこと。

失敗したら、やり直せばいいよと伝えると、子どもたちは少し安心したように「やる」と応えてくれます。

そして、絵の具を使ったり、立体物をつくったりする中で、どんなやり方でやっていても、どのスタッフからも「No」が出ないし、むしろ、「それ、面白いね!」と声がかかると、子どもたちは次第に心を解放し、それぞれのアートは自由になっていきます。


 このように4月ははりきりモードですが、新しい環境であることもあって失敗はつきものです。

最初から「もう1年生だから失敗しちゃいけない!」ではなくて、失敗した時の恥ずかしい気持ち、悔しい気持ち、泣きたい気持ちに寄り添って、お子さんと一緒に失敗を「いい経験」にしてあげたいですね。

「いい経験」になったとき、その失敗は活かされています。
失敗が活かされた経験があると、またチャレンジすることでしょう。


連休でリフレッシュした子どもたちは、また元気な顔を見せてくれるでしょう。

5月も公園で待っています!

3月のあおぞらレポート

寒さが心配だった3月のあおぞら色彩楽園。

当日は暖かさが戻り、穏やかな春のアートスペースになりました(3月15日 大倉山公園)


この日は公園に遊びにきていた子どもたちもたくさん参加してくれて、それぞれのアートを楽しみました。

初めて参加してくれたSくん(8歳)は、まず小さい画用紙を選んで目の前にある遊具などを慎重に描き始めました。絵筆をしっかり洗って色を代え、ていねいに描き進めていました。

時々、あおぞらスタッフから「よく見てるね」「ていねいに描いているね」など声をかけられていたSくんの絵に大きな変化が現れました。絵の中央にオレンジ色の大きな丸が登場したのです。

その後Sくんが持って来た2枚目の画用紙は1枚目の8倍ほどもある最も大きなサイズでした。

のびのびと大きく描かれた絵は1枚目とはずいぶん雰囲気が違ったもので、描き終わると立体物を作ることに取り組み始め、とても考えながら進めているようで、考えることが好きな様子がうかがえました。


最初の絵を描きはじめたとき、Sくんはとても緊張しているようでした。

おそらく学校で教わった通りに絵の具を使って、目の前にある対象物(遊具)を一生懸命見た通りに描こうとしていました。

そんなSくんの取り組みや絵がありのままに受け止められて安心したのか、大きな丸が登場したのです。

Sくんは、その丸を「夕焼け」と説明してくれましたが、自分の絵が受け入れられて丸をもらったようでもあったのでしょう。しかもそれは、とてもあたたかいオレンジ色でした。

ですから2枚目の絵はとても大きなサイズになって、のびのびと表現されていたし、工作に取り組むとSくんの持ち前の力を発揮して、考えることを十分に楽しんでいたようでした。

ずっと見守っていたお父さまは「こういうことが好きだったんですね。知らなかったなー」と驚いた様子でした。


CIMG2069子どもたちは、それぞれのスタイル、ペースが受け止められると驚くような力を発揮します。

さあ、公園でアートを楽しむには絶好の季節がやってきました。

4月も公園で待っています!
(写真と本文は関係ありません)

ギャラリー
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  • 旅立ちの季節
プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;