長かった夏が終わり、ようやく青空の下での「あおぞら色彩楽園」となりました。
気温は下がって、朝は肌寒いくらいでしたが、すっきり晴れて明るい秋の一日でした。
この日、何枚か登場したのは絵の中に作者の名前が書かれた作品です。
子どもの絵の中に名前が登場することはよくあることで、珍しくはありません。
しかし、最初から名前が入ることはあまり見たことがありません。
何枚か絵を描いたり、立体作品に取り組んだりした後に力強く作者の名前が登場します。
作品の中に名前が出る時に共通しているのは、子どもが初めからリラックスしていたわけではないようだったということです。
工作スペースで材料を少々乱暴に扱ってみたり、絵の具を混ぜたり、水を足して流したりしてみたり、そうしたことも許されるのか、受け入れられるのかを確認しているかのような行動から始まります。
そして、それらが積極的に受け入れられ、そうしてみたい気持ちが受け入れられるることが確認できると、子どもたちはようやく本当にそのときにやってみたいことに取り組みます。
このときの「やってみたいこと」は、日頃はトライする機会が少なく、お母さんたちは「こんなことがやってみたかったなんて知らなかった」とおっしゃることもしばしばです。
描きたいように描けたとき、やってみたいことをやりきって満足感を感じるとき、絵の中に作者の名前が登場します。
子どもの中には満足感だけでなく、自信も生まれていて、「これでいいのかな」、「こんなことしたら何か言われるかな」などの不安はどこかに行ってしまっています。
この日の小学1年生Hくんの作品も進むにつれて、どんどんダイナミックになり、最後の絵には大きく名前が登場しました。それは、まるで「これがぼくだ!」と言わんばかりでした。
子どもたちは様々な顔を持っています。
繊細で引っ込み思案な面があるところも、ダイナミックに表現ができるところも、一見正反対のようですが、どちらもその子の顔にちがいありません。
また、繊細な表現をしたいときもあれば、ダイナミックな表現がしたいときもあります。
自由なアートスペースで心が開放されたとき、子どもは新しい顔を見せてくれます。
どんな一面を見せてくれるのか、その点も楽しみにしていただきたいと思っています。
(写真と本文は関係ありません)