少しずつ空気が冷たくなってきました。
色づいた木々が眼を楽しませてくれる季節です。
以前「思い切り体を動かす!すっきり!」で10月のアトリエでKくんとNくんが汗だくになるまで体を動かした後、びっくりするほど絵を描くことに集中したことをご紹介しました。
その続編です。
11月のアトリエにやってきた二人はこの日も顔をあわせると、お互いに嬉しそうでした。
それぞれに材料を選んだり、立体物を作ったりしていましたが、やはり体を使って二人で暴れたい様子です。
<戦いは廊下でやろう>と声をかけると、途端に二人とも困った表情を見せました。
「だって廊下だったら、また怒られるもん」。
「うるさいって言われた」。
「声を出さないなんて絶対無理!」。
二人は共謀することが楽しく、わたしを「いじめる」ことが楽しく、材料の中からお寿司のネタに見立てられるものを見つけることが楽しく、次々とアイデアが湧き出て、それを形にすることも楽しいようでした。
次々とアイデアが出てくる時は楽しいし、楽しさを感じている時は次々とアイデアが湧き出てきます。
子どもたちがちょっとした悪さをしたがるときは何か苦しいものを抱えていることが多いようです。
関心がほしいというときでもあるでしょう。
ですから、ターゲットになるのは必ずスタッフです。
ワサビという子どもには辛い、イヤなものをつくって食べさせることで苦しいものを外に出したわけですが、この「いじめ」は決して陰湿なものではありません。「だます」ための工夫をこらして、わたしが驚いたり困ったりする様子を見て「やったー!」と喜ぶかわいいものだし、何よりしかけはバレバレです。
これまで、食べ物を作って持ってきてくれて、食べると、「それ、毒なのに!」と嬉しそうに言う子にもたくさん出会いました。
ワサビと毒は同じような意味を持つと思います。
抱えた苦しさを目に見える形、つまり「ワサビ」にしたのです。
これは前回廊下で暴れて「叱られたから」だけではなく彼らの工夫もあり、また、続いていた学校行事も終わるなど、子どもたちのコンディションが再び落ち着いてきたことが大きな理由ではないかと思っています。
とにかく暴れないと苦しさが外に出せないときは、何が苦しいのか、なかなか言葉にも絵にも色にもなりません。
こうしたときは、ついつい大人が困ってしまうような行動になりがちで、叱られることも多く、苦しさを出し切ることが難しくなって、さらに苦しさを抱えてしまうという悪循環も生んでしまいます。
しかし、苦しいものを様々な方法で外に出して心のバランスを取り戻すと、子どもたちは持っている力を発揮した作品を生み出してくれるし、お互いに実に楽しく関わります。
散々いたずらを繰り返して、最後の方でNくんがネタばらしをしたときもKくんには「もー、言うなよーー」と穏やかで余裕がありました。
KくんとNくんには共謀して一体感を感じるという楽しさもあったでしょう。
子どもたちはいつも目の前の壁に立ち向かっています。
苦しいとき、心のバランスが崩れてしまうことはありますが、自らバランスを取り戻す力をどの子どもも持っています。
バランスを取り戻したとき、子どものパワーはよりいっそう大きくなっています。
色づいた木々が眼を楽しませてくれる季節です。
以前「思い切り体を動かす!すっきり!」で10月のアトリエでKくんとNくんが汗だくになるまで体を動かした後、びっくりするほど絵を描くことに集中したことをご紹介しました。
その続編です。
11月のアトリエにやってきた二人はこの日も顔をあわせると、お互いに嬉しそうでした。
それぞれに材料を選んだり、立体物を作ったりしていましたが、やはり体を使って二人で暴れたい様子です。
<戦いは廊下でやろう>と声をかけると、途端に二人とも困った表情を見せました。
「だって廊下だったら、また怒られるもん」。
「うるさいって言われた」。
「声を出さないなんて絶対無理!」。
それでも何か悪さをしたくてたまらない様子のKくんとNくん。
まずはNくんが「はい、マグロのお寿司です」とわたしに持ってきてくれました。
口に入れる(ふりをする)と、「はい!わさびです!」とマグロの下に入れたワサビ(フェルト:黄緑色)を見せ、Kくんと一緒にゲラゲラ笑っています。
その後も二人はヒソヒソとなにやら相談しながら次々とワサビ入りのお寿司やワサビドリンクなどをわたしに持ってきてはゲラゲラ笑い転げていました。
二人は共謀することが楽しく、わたしを「いじめる」ことが楽しく、材料の中からお寿司のネタに見立てられるものを見つけることが楽しく、次々とアイデアが湧き出て、それを形にすることも楽しいようでした。
次々とアイデアが出てくる時は楽しいし、楽しさを感じている時は次々とアイデアが湧き出てきます。
子どもたちがちょっとした悪さをしたがるときは何か苦しいものを抱えていることが多いようです。
関心がほしいというときでもあるでしょう。
ですから、ターゲットになるのは必ずスタッフです。
ワサビという子どもには辛い、イヤなものをつくって食べさせることで苦しいものを外に出したわけですが、この「いじめ」は決して陰湿なものではありません。「だます」ための工夫をこらして、わたしが驚いたり困ったりする様子を見て「やったー!」と喜ぶかわいいものだし、何よりしかけはバレバレです。
これまで、食べ物を作って持ってきてくれて、食べると、「それ、毒なのに!」と嬉しそうに言う子にもたくさん出会いました。
ワサビと毒は同じような意味を持つと思います。
抱えた苦しさを目に見える形、つまり「ワサビ」にしたのです。
これは前回廊下で暴れて「叱られたから」だけではなく彼らの工夫もあり、また、続いていた学校行事も終わるなど、子どもたちのコンディションが再び落ち着いてきたことが大きな理由ではないかと思っています。
とにかく暴れないと苦しさが外に出せないときは、何が苦しいのか、なかなか言葉にも絵にも色にもなりません。
こうしたときは、ついつい大人が困ってしまうような行動になりがちで、叱られることも多く、苦しさを出し切ることが難しくなって、さらに苦しさを抱えてしまうという悪循環も生んでしまいます。
しかし、苦しいものを様々な方法で外に出して心のバランスを取り戻すと、子どもたちは持っている力を発揮した作品を生み出してくれるし、お互いに実に楽しく関わります。
散々いたずらを繰り返して、最後の方でNくんがネタばらしをしたときもKくんには「もー、言うなよーー」と穏やかで余裕がありました。
KくんとNくんには共謀して一体感を感じるという楽しさもあったでしょう。
子どもたちはいつも目の前の壁に立ち向かっています。
苦しいとき、心のバランスが崩れてしまうことはありますが、自らバランスを取り戻す力をどの子どもも持っています。
バランスを取り戻したとき、子どものパワーはよりいっそう大きくなっています。