フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

失敗OK

LDセンター夏休み親子アート講座

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こんにちは!くますけです!

毎日暑いね。でも、涼しい時間は外でしっかり遊ぼう!セミたちも鳴いてるよ。

夏休みに入ってすぐ、今年も大阪医科薬科大学LDセンターで夏休み親子アート講座を開催しました。


DSCF0062 大阪医科薬科大学LDセンター(以下、LDセンター)で最初のおえかき大会を開催したのは2002年です。建物が古くて、少し暗かったので、廊下の壁やドアに絵を描きたいというリクエストを受けました。

そこで、1階は海を、2階は地上と空を表す大きなぬりえを壁につくって、センターの子どもたち、保護者の方々に好きな色にぬってもらって、LDセンターまるごとおえかきを楽しんだんです。廊下には大きなクジラが登場したし、すべてのドアに絵を描いたので、みんな「自分の部屋はヤドカリの部屋」というように覚えてくれて、LDセンターの雰囲気は変わりました。


 その後、毎年夏になると、アート・イベントを開催するようになりました。

LDセンターの看板をみんなでつくったり、一日美術展を開催したりしたこともあったけれど、新型コロナウィルスの影響を受けてからは少人数のアート講座として開催しています。

親子アート講座の目的は自由なアートを体験すること、自由に表現したものが受容されることを体験をすることで、保護者の方々には子どもの絵の意味を再確認してもらって、表現されたものすべてを受容する機会にしてもらっています。


 講座に参加してくれる子どもたちは、どの子もとても一生懸命です。最初のオリエンテーションで、どんなふうに遊ぶかを説明すると、みんな一様に真剣に聞いてくれます。

そして、オリエンテーションで「失敗はOK!」と言うと、多くの子どもたちは戸惑っちゃいます。「え~!?」と言う声が上がることもあるんだよ。いつもは失敗すると叱られたり、笑われたりしちゃうのかなぁ。


 みんな最初はとても緊張しているけれど、どんな色をぬっても、何を描いても、つくっても、その表現の良いところを説明してくれるので、どんどん楽しくなって、自由になっていくんだよ。

自由になっていくと、Sちゃんは笑いが止まらなくなっちゃったし、Kちゃんは思わず踊り出したりして、LDセンターの一日だけのアトリエはパーティー会場みたいでした。

自由になったら、それぞれが持っている力をたくさん見せてくれて、その子にしか生み出せないアートが誕生!

最初の緊張感がある作品とは全然違う作品が生まれるんだ。


 講座のスタッフのコタキさんも「あ~、楽しかった~!めっちゃ勉強させてもらった~!」。

そう、アート講座は担当するスタッフもとっても楽しいんです。みんなが自由になっていくことも楽しいし、勉強することも楽しいよね。


 アート講座も23年続きました。早くも来年の講座はどんなふうにしようかと考えています。

LDセンターの子どもたち、保護者の皆さん、そしてスタッフのみなさん、今年もありがとうごじました。

来年もよろしくお願いします。

マスクがなくなって見えるもの

ここのところ、梅雨は一休みのようです。
あまりに雨が続いて外で遊べなくなると、子どもの運動欲求が十分に満たされず、ちょっぴり心配にもなりますが、子どもたちは新しい環境に慣れてきているようですし、神戸市の小学校は6月最初の土曜日に運動会も終わって、ちょっと一息ついているようです。

新型コロナウィルス感染症は先月5類感染症となり、マスクをつけていない人が徐々に増えています。
アトリエでも、この3年間で来てくれるようになった子どもたち、保護者の方々のお顔をようやく拝見できるようになって、ご家族をより近く感じるようになりました。

人の顔が半分しかわからないことは、やはり、その姿形や、その人が醸し出す空気から認識できること、伝わってくることなどが、かなり減ってしまっていたことをこの1ヶ月は感じています。
子どもたちの表情がはっきりわかると、作品を通して共に感じることも増えます。

例えば、絵の具を混ぜて色が変わったことに息を飲む瞬間の表情にこちらも息を飲みそうになるし、トライしたみたことが成功したときの輝く表情には大きなパワーをもらいます。

つまり、作品を通して共に感じることが増えると、作品が発するメッセージはより大きくなるし、子どもたちの作品をより深く聴くことができるのだと改めて感じています。

しかし、一方でマスクをつける機会が減った影響もあってか、子どもの感染症が増えています。
マスクだけではなく、3年以上も衛生面のルールが増えて清潔にしすぎたことは、免疫力の低下にもつながっているのでは、とも言われています。

この3年間にかからなかった感染症にかかるようになったということは、マスクは子どもたちを守ってくれていたとも言えそうですが、もし、免疫力の低下を招いているとすれば、長い目で見たときには「守ってくれていた」とは言えないかもしれません。

小さいうちにある程度感染症に罹患することは、ある意味で必要なことだとも言えるかもしれません。
子どもが経験する様々な多くの経験も同じでしょう。
失敗したり、壁にぶつかったり、悲しい思いをしたり、自信をなくしたりすることから避けて通ることはできません。マスクをつけるように、こうした経験を遮ることはできません。
「自信をなくすと困るから」あえてチャレンジさせないのではなく、「自信をなくしてしまったけれど、また闘志を燃やしています」というような回復力がとても大切です。
そして、子どもたちの作品を聴いていると、どの子どもにも回復力が備わっていることを感じます。

アトリエでまず子どもたちに最初に伝えるのは「失敗OK!」です。
失敗するのがイヤだからトライしないのではなく、やってみたいことをやってみよう、もし、失敗したら一緒に考えて、またトライしてみようということです。
失敗はとても大きな体験なのです。

新型コロナウィルス感染症を予防するためには、マスクを着けて生活することはやむを得ませんでした。
これからは、マスクを着けない場面が増えて、子どもたちに様々な体験が戻るでしょう。
感染症にかかってしまうこともあるかもしれませんが、それによりまた一つ強くなるでしょう。
3年3ヶ月の時が過ぎ、子どもたちの表情が見えることの嬉しさを噛み締めています。

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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;