フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

子どもの疲労

10月のあおぞらレポート

fullsizeoutput_583気候の良い10月、大倉山公園は絵の具やねんど、空き箱を楽しむ子どもたちが集まり、穏やかな光景が広がりました。
絵の具のパレットとして使っている食品トレイの差し入れもどっさりいただきました。ありがとうございました!

スポーツに、読書に、アートにと、様々な活動を楽しむのにぴったりな季節ですが、行事の多い2学期です。11月の初め頃までは少々疲労を見せる子どももいます。
疲労を抱えているときは、絵も工作もなかなか形にならなかったり、たくさんの色が混ざり合って混沌としていたり、また、座って集中するよりもとにかく体を動かすことで発散したり、作品が子どもの心のコンディションを語ってくれます。

こうしたときは、いつまでもねんどをこねていたり、手にたっぷりの絵の具をつけてヌルヌルする感触に浸ったりして、数え切れないくらいたくさんの手形が登場することも少なくありません。
「なんかしんどいなー」、「助けてほしいなー」という心のメッセージでもあります。

fullsizeoutput_65b作品に疲労が現れると少々心配になりますが、成長していく上では様々な壁を感じたり、疲労を抱えたりすることは、ごく自然なことです。
子どもたちの素晴らしいところは、そうした心の疲労を外に出すパワーです。
画用紙の上や、また、立体物で疲労を語ることは、実に素晴らしい子どもの生きる力です。
ですから、疲労を感じる表現が現れると、「よく出せたね!」、「こんなにしんどいのに、がんばったんだね!」と、その子を抱きしめたくなるほど嬉しく、そして、そのパワーに敬服せずにはいらfullsizeoutput_65dれません。
表現したものが身近な大人に受け止められると、抱えた疲労は減り、崩れていた心のバランスを取り戻します。

心のバランスを取り戻した後は、その子が本来もっている力が発揮できる状態に近づきます。
あおぞら色彩楽園でも、絵の具を思い切りぶちまけて元気が戻ってくると、スタートしたときとは違う色であふれかえります。
いつのまにか工作シートの上は子どもとそのファミリーでいっぱいになって、理論立てて考えたい、表現したいコンディションが整ってきたこともうかがえます。

11月のあおぞら色彩楽園は今年最後の公園での開催です。
子どもたちも元気を取り戻してきています。
ちょっぴり寒くなるかもしれませんが、子どもたちのパワーで暖かいアートスペースになると思っています。

5月のあおぞらレポート

すっきりと晴れて、萌えるような新緑が美しい5月。
あおぞら色彩楽園には受付開始前から長い行列ができました(5月21日:大倉山公園)。


この日の人気も、やはり絵の具でした。
いつも公園の「あおぞらギャラリー」には、子どもたちの作品がずらりと並んで実に壮観ですが、あおぞらスタッフによると、「今日は絵の具の量に比べると作品が少なかったように思います」とのことでした。

実際、絵の具ボトルは、どの色もすっかり空っぽになっていましたが、ギャラリーはすべて埋まってはいませんでした。
このように、絵の具は使うけれども画用紙に描いた作品は少ないことは一年に一度か二度かあります。

なぜなのでしょう?

5月から6月にかけて、環境が新しくなった4月の緊張や、がんばりすぎた疲れを表現する子どもはたくさんいます。
絵の具をとにかく出して混ぜるだけや、ねんども形にならなかったり、絵の具やねんどなどさわると気持ち良いものをさわり続けているだけで画用紙は真っ白なままだったりも珍しくはありません。
心の中に疲労が積もってしまっているときは、作品を生み出すエネルギーや描きたい意欲など、もともと持っているパワーもどうしてもダウンしてしまいます。
何かを生み出すよりも、まずは生み出すためのエネルギーを取り戻すことが必要なときです。
そのためには、まず心の中に抱えた苦しいもの、つまり疲労を外に放り出すことが必要です。
「苦しいもの」は、
往々にして形になりません。

色が混ざり合って、鈍く、暗くなって、ぐちゃぐちゃです。
だからこそ、心に抱えたままにしておくことは、とても心配で、外に出すことができればホッとします。

もし、「苦しいもの」を心の中に抱えたままにしていたらどうでしょう?
それは、どんどん積もって、心のバランスを崩す原因となってしまうでしょう。
心のバランスが崩れているとき、疲れているとき、私たちは誰も持っている力を発揮することはできません。
あおぞらギャラリーに並ぶ作品が少なくなっていたとしても、集まってくれた子どもたちが少しでも「苦しいもの」を吐き出してくれていれば、こんなに嬉しいことはありません。

fullsizeoutput_4c3そして、何より、「苦しいもの」を吐き出す力を持っている子どもたちのエネルギーの大きさを感じます。
それはまるで、生命力のかたまりのようなフレッシュな緑色のようです。
子どもたちは新しい環境も、グレードアップした課題も、この大きなエネルイーでチャレンジして乗り越えて行きます。
「あおぞら」は、いつもみんなを応援しています!

ちょっとひとやすみ

 早くも紫陽花のつぼみを眼にするようになりました。
ゴールデンウィークが終わり、大人にも子どもにも日常が戻っています。
特に今年は新型コロナウィルスによる制限などがない春となって、3年ぶりの日常とも言えるかもしれません。


 4月の子どもたちは全体的にはりきりモード。
しかし、5月の半ばあたりから、少し疲れが見え始めています。
これは、例年のことなので、あまり驚きはしませんが、疲労を隠せない子どもたちは大変ですし、保護者の方々は「あれ?」と思っていらっしゃるかもしれません。
この時期の疲労は、4月はあれほどがんばっていたことも、「ママがやって」と言ったり、一人で集中することが減ったり、作品に取りくむ意欲が低下していたり、よく見ていないとわかりづらいものが少なくありません。ねんどや絵の具をさわり続けていたりもします。
せっかく新しい環境にも慣れてきたところなのに・・と思うかもしれませんが、この疲労はごくごく自然な反応です。


fullsizeoutput_292 子どもたちのペースは一定ではありません。
元気いっぱいで猛ダッシュするときがあるかと思えば、なんだか疲れて、やたらとお父さんやお母さんの膝に乗りたがったり、すぐに泣いてしまったりして、びっくりするほど違った顔を見せます。
新しい環境になることが多い4月は、大人でさえも緊張しますし、疲れます。
特に子どもはパワーを使い切るまで進み続けます。ここは子どもの素晴らしいところです。
 

 今、子どもたちに疲労が見え始めています。

しかし、これは4月にがんばった証拠ですから、あまり慌てなくてもしっかり休んで、お父さんやお母さんにちょっと甘えることができれば回復します。

ちょっと一休みの梅雨入り前です。

ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;