すっきりと晴れて、萌えるような新緑が美しい5月。
あおぞら色彩楽園には受付開始前から長い行列ができました(5月21日:大倉山公園)。
この日の人気も、やはり絵の具でした。
いつも公園の「あおぞらギャラリー」には、子どもたちの作品がずらりと並んで実に壮観ですが、あおぞらスタッフによると、「今日は絵の具の量に比べると作品が少なかったように思います」とのことでした。
実際、絵の具ボトルは、どの色もすっかり空っぽになっていましたが、ギャラリーはすべて埋まってはいませんでした。
このように、絵の具は使うけれども画用紙に描いた作品は少ないことは一年に一度か二度かあります。
なぜなのでしょう?
5月から6月にかけて、環境が新しくなった4月の緊張や、がんばりすぎた疲れを表現する子どもはたくさんいます。
絵の具をとにかく出して混ぜるだけや、ねんども形にならなかったり、絵の具やねんどなどさわると気持ち良いものをさわり続けているだけで画用紙は真っ白なままだったりも珍しくはありません。
心の中に疲労が積もってしまっているときは、作品を生み出すエネルギーや描きたい意欲など、もともと持っているパワーもどうしてもダウンしてしまいます。
何かを生み出すよりも、まずは生み出すためのエネルギーを取り戻すことが必要なときです。
そのためには、まず心の中に抱えた苦しいもの、つまり疲労を外に放り出すことが必要です。
「苦しいもの」は、往々にして形になりません。
色が混ざり合って、鈍く、暗くなって、ぐちゃぐちゃです。
だからこそ、心に抱えたままにしておくことは、とても心配で、外に出すことができればホッとします。
もし、「苦しいもの」を心の中に抱えたままにしていたらどうでしょう?
それは、どんどん積もって、心のバランスを崩す原因となってしまうでしょう。
心のバランスが崩れているとき、疲れているとき、私たちは誰も持っている力を発揮することはできません。
あおぞらギャラリーに並ぶ作品が少なくなっていたとしても、集まってくれた子どもたちが少しでも「苦しいもの」を吐き出してくれていれば、こんなに嬉しいことはありません。
そして、何より、「苦しいもの」を吐き出す力を持っている子どもたちのエネルギーの大きさを感じます。
それはまるで、生命力のかたまりのようなフレッシュな緑色のようです。
子どもたちは新しい環境も、グレードアップした課題も、この大きなエネルイーでチャレンジして乗り越えて行きます。
「あおぞら」は、いつもみんなを応援しています!