フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

自由なアートスペース

3月のあおぞらレポート

春が来ました。
冷たい冬が終わったことを感じる春の訪れは、どの季節が来るよりホッとします。
冬の間お休みしていた「あおぞら色彩楽園」も新しい季節の始まりと共にスタートしました。

ところが、張り切るあおぞらスタッフの想いをよそに、非情にも天気予報は午後から雨予報。
せっかくの今年初の開催でしたが、神戸真生塾の体育館をお借りすることにしました。
新型コロナウィルスが蔓延するまでは、雨が降るといつもお借りしていたのですが、この4年間は屋内に集まって活動することが制限され、雨の時や熱中症警戒アラートが出された時は泣く泣く公園での開催を中止していました。
ようやく感染症による活動制限から解放されたのです。

もちろん、公園でのアートは大きな開放感がありますし、絵の具もダイナミックに楽しめます。
しかし、じっくり細かいこともできる、限定された空間の安心感など屋内ならではの良い点があることも確かです。

CIMG9954雨の中、集まってくれた子どもたちは長い時間集中して工作に取り組んだり、絵の具の実験を楽しみました。
ちょっぴり残念な雨でしたが、体育館の都合がつけば4年ぶりに雨天時の開催が可能となったこと、無事に今年のスタートがきれことにホッとしたし、嬉しい1日となりました。
雨は次第に強くなり、後片付けと翌月準備は少々大変でしたが。あおぞらスタッフもスタートできたこと、じっくりと子どもたちに関われたことに充実した表情を見せていました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
あおぞら色彩楽園は今年も11月まで毎月開催します。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2月のあおぞらレポート〜春のスタートに向けて!

fullsizeoutput_3ce暖かくなったり、寒くなったり、少しずつ春が近づいてくることを感じながら、2月のあおぞらも1月に続いて大掃除をしました。いつも使っているブルーシートを拭きあげたら、あおぞらボランティアスタッフは汗だくです。
この日は予報よりも長く雨が降り続いていたので、倉庫の大掃除は少々やっかいでした。

今回のメインは絵の具の補充でした。
補充は毎月のことですが、昨年まで使っていた絵の具のボトルが夏の高温の時期には爆発して絵の具が飛び出したり、絵の具が出しづらかったりすることもあって、昨年の夏の終わりごろからずっとスタッフみんなで容器を探していました。 
秋が深まる頃にようやく子どもの手にもぴったりな容器が見つかり、みんなでとても喜んでいたのですが、口が小さいので補充をするときにとても時間がかかってしまいます。
公園での開催を終えた後、子ども家庭支援センター(ロータリー子どもの家)に戻って、画材や道具を整えて、工作材料など翌月の準備と絵の具の準備をすると、なかなか終わりません。

そこで、冬の間は大掃除に加えて、絵の具ボトルを再考することがスタッフ全員の宿題になりました。

今回の絵の具の問題だけでなく、あおぞらスタッフは子どもたちが自由にアートを楽しめるように考えることにとても熱心です。
毎月きちんと画材を揃えることはもちろん、材料の選びやすさや道具や材料、画材を使いやすいように、楽しめるようになど、常に「より良くしたい」という気持ちを持っているのがわかります。
子どもたちが楽しんでいる姿を見ると、本当に嬉しそうで、あおぞらスタッフの情熱の大きさがこの活動が継続できている何よりの原動力です。

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また、空き箱など、廃材は多くの方々のご協力によって実に様々なものが集まります。
参加してくれる方々はもちろん、公園の外にいる方々のご協力もあって、あおぞら色彩楽園は支えられています。

さて、宿題の絵の具についてはボトルを変更するのではなく、牛乳パックでじょうごを作って絵の具を入れてみることを試みました。
牛乳パックはコーティングされているので、絵の具が滑ってくれるのではと期待したのです。 

ドキドキしながら実験して見ると、おおっ!絵の具が入って行く!
それでも絵の具はどうしても色によって粘度が違います。
みんなで実験しながら色によってボトルに入れる方法もみつけて、絵の具の補充は速やかに終了しました。

絵の具が揃い、倉庫もすっかり片付いて、モノの準備はばっちりです。
さらに、いよいよ3月に迫ったあおぞらスタートに向けて、スタッフも開催が楽しみでたまらないようです。 
スタッフの気持ちも準備万端です! 

6月のあおぞらレポート

今年は3月から雨に祟られ通しだった、あおぞら色彩楽園。
6月は雨の季節なのでドキドキしましたが、しっかり梅雨の晴れ間が顔を見せてくれました。
これには「やっと!やっと開催できる!」という本当に嬉しい気持ちに加えて、少々興奮気味でもあって、あおぞらスタッフも集合した時からテンションも高く、準備が楽しくてたまらない様子でした。

お昼を過ぎると、公園には少しずつ親子の姿が見え始め、開催を待ってくれていたようでした。
以前なら、毎月100名ほどの親子が参加してくれていましたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための参加人数の制限、新しい受付方法は今も続いています。
しかし、混乱もなく、とてもスムーズなスタートとなりました。
子どもたちは、のんびり絵の具を出したり混ぜたり、 立体物をつくったり、公園内には実にひさしぶりの光景が広がり、この光景はコロナが広がる前も後も変わりません。

あおぞら色彩楽園は神戸の震災のときからボランティアスタッフの力で運営、開催しています。
けれども、以前からスタッフだけでなく、参加者の協力がとても大きいので、「参加者」というより一緒にこの活動を支えてくれている「仲間」 だと思っています。
集まってくださる方々は「お友だちに聞きました」と、口コミで情報がひろがっているようだし、すでに何回か参加している方々が初めて参加する方々を手伝ってくださったりして、この活動が続いています。

fullsizeoutput_a6そして、6月もみなさんに助けていただきました。
参加者を25名に制限しているので、受付が定員に達すると、「遊んで待ってます」と言ってキャンセル待ちをされる方もたくさんいらっしゃいました。
公園での開催は、ブランコや滑り台で遊びながら待てるところが嬉しい点です。

「あおぞら」は退出が自由なので、しっかり遊んで、「おしまい!」と言って退出する子が出ると、待っている方に入場可能なことを知らせます。
受付に入場可能なキャンセル待ちナンバーを提示し、「〇〇ちゃーん!」と声をかけると、 それを聞いた、お知り合いであろうママたちが当人に電話で連絡して、待っていた子が走ってやってくるという見事な連携プレーがありました。

こうして、待ってくれていた子どもたちも入場することができて、6月のあおぞらは約80名の親子を迎えることができました。
コロナによる生活スタイルの変化、そしてその変化による心身への影響は、気づかないうちに多くの人たちに影響を与えています。
公園に来て、思い切りぬりたい色をぬる、絵の具を混ぜる、つくることに没頭することで、ほんの少しでも心に風を通す機会になれば、こんなに嬉しいことはありません。

これからも、あおぞらスタッフ、ご参加のみなさん、地域の方々、そして色彩楽園を支えてくださっている多くの方々の力を集結して活動を続けていきたいと思っています。

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5月のあおぞらレポート

今年のあおぞら色彩楽園の3月は雨、4月は開始後30分で雨。
気候も良い5月はあおぞら色彩楽園にぴったりな過ごしやすい季節。
一年で最も参加者が多い月でもあります。
二ヶ月も雨が続いていたので、あおぞらスタッフ一同張り切っていました。

ところが、このときはずっと「週末はお天気が崩れるでしょう」と、まさに非情な天気予報が続きました。平日は爽やかに晴れるのに、週末になると雨。これがずっと続いていました。
天気予報は大きく変わることはなく、前日の予報はくもり一時雨。こんな中途半端な天気がいちばん困ります。
スポーツや野外活動に多少の雨はつきものですが、子どもたちが絵を描いたり、工作したりするプログラムはひとたまりもありません。
それに、一昨年までは雨が降った時は、「あおぞら」を応援していただいている子ども家庭支援センターの体育館をお借りしていたので、開催が中止になることはありませんでした。
しかし、新型コロナウィルスの感染拡大を防止するために昨年から関係者以外の立ち入りが制限されて、今は屋内での開催ができません。
雨が降ると、中止にするしかないのです。

「あおぞら」当日の朝、天気予報を見ると、なんとか開催できそうな、くもりの予報。
よし、公園で開催だ!
 と思ったのも束の間、雨雲レーダーは刻々と変化し、午前中は激しい雨で、お昼過ぎまで続く予報に変わりました。
うーん、今月もダメなのか・・・。

雨による開催の中止で思い出すのは、26年前の阪神大震災で被災した子どもたちのケアのために行っていた、出張のおえかきやさんです。
「空とぶ子どものアトリエ」と言う名前で神戸市のあちこちを飛んでいました。
これが後に「あおぞら色彩楽園」になったわけですが、この時もやはり公園でおえかきやさんを開いていました。
ある日、朝から雨が降り続いた日のことです。
午後になっても雨は止まず、これでは子どもたちも来ないだろうと思いましたが、念のために公園に行って見ると、私たちを待っていた子が3人いました。
行くと、少し安心したような表情を見せましたが、「今日はおえかきできないね」と言うと、戸惑ったような眼で「おえかき、ないの?」。
「うん、雨が降ってるからね」。

このときの、傘をさして同じ方向を見て、ブランコの前にじっと立っていた3人の子どもの姿は、今も忘れることができません。
やはり、この場は必要なんだと実感した日でもありました。
今思えば、この子たちの姿が公園でのおえかきが今も続いている理由なのかもしれません。

5月の「あおぞら」は泣く泣く中止となりました。
3ヶ月も開催できないのは。26年間やってきて初めてです。
そして、この日神戸は梅雨入りしました。
例年より3週間も早い梅雨入りです。

fullsizeoutput_7aウィルスによる感染症が世界中で広がったり、おかしなお天気になったり、今いったい何が起きているんでしょう。
今までの「だいたい、こうなる」は、もうないのかもしれません。
雨が降ることは自然なことですが、せめて屋内に子どもが集まることができる状況にならないかと思わずにはいられません。
これから本格的な雨の季節です。
6月の「あおぞら」は、なんとしても梅雨の晴れ間が広がってもらわなければ!
 
ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;