フジイブログ

色彩楽園主宰フジイのブログです。

自由なアートスペース

4月のあおぞらレポート

はりきり4月!


 すっかり暖かくなってツツジが咲き始めた大倉山公園で4月のあおぞら色彩楽園を開催しました(4月19日)。


 4月の子どもたちは、はりきりモードです。受付で6歳と聞いて「1年生?」と聞くと「1年生です!」と元気な声を返してくれる子や照れくさそうにうなずく子もいます。
思わず「おめでとう!」と言うと、ちょっぴり恥ずかしそうに、それでもとても嬉しそうな表情を見せてくれます。
2年生以上の子どもたちも新学期を迎えて、気持ちも新たに高まるエネルギーを隠しきれない様子です。

子どものアトリエでも4月は学校の話がたくさん出ます。

「3年生になった!」

「今度の担任の先生、ダジャレが好き!」

「隣の組の先生、めっちゃこわい!」

3月までとは違う教室、担任の先生や友だち、教科書やノートなど、子どもたちを取り巻く環境には新しいことがたくさんで、一学年上がって新しいステージが始まったと感じるには十分です。


 この時期はエネルギーが高まっているので、意欲的で集中力も高く、初めてのことや、少々難しいことにチャレンジする姿も多く見られます。

とりわけ、1年生たちにとっては「小学生になった」ことは、とてもお兄さん、お姉さんになったことであるようで、ピカピカのランドセルを背負っている姿からは大きなエネルギーが発せられて、体より大きなランドセルにもちっとも負けていません。

はりきりモードなので、「やってみたい!」と言う声もたくさん出ます。実に頼もしく、チャレンジ精神いっぱいで私たちスタッフも嬉しくなります。


CIMG2362 しかし、初めての場で緊張感がありありと伝わってくる子どももいます。

初めての参加で、お母さんから「やる?」と聞かれて躊躇する様子が見られるとき、あおぞらスペースでの約束事を子どもたちに伝えます。

好きなものを描いていいこと、

好きなものを作っていいこと、

使いたい色を使っていいこと、

そして、失敗はOKなこと。

失敗したら、やり直せばいいよと伝えると、子どもたちは少し安心したように「やる」と応えてくれます。

そして、絵の具を使ったり、立体物をつくったりする中で、どんなやり方でやっていても、どのスタッフからも「No」が出ないし、むしろ、「それ、面白いね!」と声がかかると、子どもたちは次第に心を解放し、それぞれのアートは自由になっていきます。


 このように4月ははりきりモードですが、新しい環境であることもあって失敗はつきものです。

最初から「もう1年生だから失敗しちゃいけない!」ではなくて、失敗した時の恥ずかしい気持ち、悔しい気持ち、泣きたい気持ちに寄り添って、お子さんと一緒に失敗を「いい経験」にしてあげたいですね。

「いい経験」になったとき、その失敗は活かされています。
失敗が活かされた経験があると、またチャレンジすることでしょう。


連休でリフレッシュした子どもたちは、また元気な顔を見せてくれるでしょう。

5月も公園で待っています!

2026年2月のあおぞらレポート

2月のあおぞら色彩楽園は恒例のスタッフ研修でした。

あおぞらスタッフは、子どもの絵のこと、絵がどう子どもの育ちに影響するのか、子どもたちが安心してのびのびとアートを楽しむためのアプローチなど、さまざまなことを常に学んでいます。

2月は子どもたちと同じ体験をして、自分の中に何が生まれるかがテーマでした。


そこで、まずは子どもたちと同じように様々な材料、素材、画材などがあるアートスペースで自由なアートに取り組みました。
「何をしてもいい」は、とりわけ大人にとって、とても難しいことです。

子どもたちも小学校中学年あたりから最初は戸惑いを見せます。
高学年になると、様々な経験もあるので、やりたいようにやりながらも経験を活かしてオリジナリティにあふれたアートを生み出します。

IMG_5895スタートして15分ほど経つと、それぞれが自分の作品に集中して、部屋の温度は上がり、クリエイティブな空気が部屋に満ち始めました。

自由なアートは「1時間」と伝えていましたが、1時間が経過した「そのとき」はまさに「ヤマ場」、最初は具体的ではなかったイメージが頭の中ではっきりとその姿を表し、それを形にするために持っている力をフル回転させているときです。

このとき、人は大きな充実感の中にいます。心地よくて、楽しくて、脳が大きな快感を感じているときです。

ですから、1時間が経ったからといって、そこで終了できるわけはありません。

90分が過ぎるころ、自由なアートは終了しました。

これは小さい子どもたちも同じで、自由に取り組むことができていれば、多くの場合60分を過ぎてから鎮静に向かっていき、90分になるころに自然に終了します。

もちろん、最初からピークを迎えることはなく、緊張や戸惑いに始まり、やっていることが受け止められている、OKをもらっていることを経験してからようやくその子のアートが生まれ、持っている能力をフル回転させて楽しくなり、その子だけの作品が完成するという道を辿ります。


あおぞら色彩楽園では受付の締切を終了時間の90分前に設定しているのはこのためで、稀に「30分だけでもいいから遊んでいいですか?」と聞かれることがあります。
しかし、「30分だけね、それでおしまいだからね」と言われた子どもたちは心を解放するまでには至らず、終わらなければならないことがほとんどです。

そうなると、ちっとも楽しくないので、保護者も楽しくありません。


あおぞらスタッフたちは、自ら体験して、さまざまな声をあげてくれました。

「子どもたちは自分で使いたいもの、使いたい色を選んで、自分で決めて、その子にしかないアートを生み出す、本当にすごい!」

「絵の具の楽しさ再発見。さあざまな使い方で楽しめる子どもたちの偉大さ」

「知らず知らずに感じている何かを作らなければという呪縛、安心できる場、受け入れられる場という大前提があることで得られる解放感」

「自ら体験したことで、あおぞらの子どもたちを心から尊敬できる。描けないとき、途中でやめるということにもパワーがいるんだな」

「あの大きな画用紙にあれだけのびのび表現できる子どものパワー、本当にすごい」


特に多くの声があがったのは「子どもって本当にすごい!」、「あのパワーを邪魔しちゃいけない」でした。

子どもたちがパワーを発揮するまでの受け入れ方や待ち方のヒントがあったようです。

保護者の方々が子どもたちが解放されるまで、集中して取り組み始めるまでの時間をどうしても長く感じてしまうのは、これもまた自然なこと。

子どもたちがたどるプロセスを保護者と共有したいという気持ちを改めて強くできたようです。


さあ、春が来ました。

あおぞら色彩楽園再開です。

子どもたちを心からすごい、偉大だと感じているスタッフたちが公園で待ってます!

あおぞらレポート〜2025.9.21

 長く続いた夏でしたが、急に涼しくなりました。9月のあおぞら色彩楽園は春にご案内した通り屋内開催となりました(9月21日 神戸真生塾子ども家庭支援センター)

昨年までは天候不良や熱中症警戒アラートが発出された場合のみ屋内で開催していましたが、屋内会場はどうしても公園よりも参加者が少なくなります。しかし、最近の夏の厳しい暑さを考えると、夏の間は屋外での開催が難しく、屋内で開催せざるを得ません。

活動開始から30年の間、目の前にどれだけ高い壁が現れても決してひるまないあおぞらスタッフは「だったら屋内ならではの魅力を生み出そう!」。


 屋内開催の長所は風や気温などの影響受けずに取り組めるところです。参加者が少なくなることもネガティブな要素ではなく、一人ひとりとじっくり関われるチャンスです。

この日も参加してくれた子どもたちにじっくり関わり、保護者の方々ともゆっくりお話しすることができました。

びっくりするほどたくさんの絵を描いた男の子もいましたし、終了時間前に声をかけると「えー、絵の具もしたかったのにー」と言ってくれた女の子もいました。

それぞれが自分で選んだ画材、素材、材料、色や形を楽しむ姿は、誰もが堂々としていて、「これがわたし!」と言ってくれているようでした。


 けれども、この日いちばんのトピックスは、「大人のカラーヒーリング」スペースでした。大人用に別に画材を置いたテーブルを用意できたのは屋内会場ならではです。子どもたちが描いたりつくったりしている間、このテーブルでお父さん、お母さんも色を楽しんでもらおう、集中してもらおうと新しく設置しました。

ぬりえに取り組み始めていたお母さんたちに<はみだしOKです>と声をかけると、「え~、はみだすのはやだなぁ」

<では、はみださずにぬりましょう>


 お母さんたちは、すぐに自分の目の前にある色に集中していて、しばらくするとテーブルは心地よい表現エネルギーに包まれていました。これは子どもたちが夢中で作品に取り組んでいる時にも時々生じるものです。会場全体を見渡すと、大人のテーブルから発せられる表現エネルギーと子どもたちのスペースから生まれている穏やかな空気とが調和良く受け止め合っているようで、なんとも言えない心地よい空間ができあがっていました。

時間中ずっとぬりえに取り組んでいたお母さんのおひとりは「もう一心不乱に(色を)ぬっていました。時計なんて見ませんでした!」と、とても充実した笑顔を見せてくださいました。


 色は光のエネルギーです。画材を使うと私たちの内面にあるさまざまなものが色になって心の外に出てきたり、そのときに必要な色が私たちをリラックスさせてくれたりもします。ぬりながら頭に浮かんでくること、思い出すことも問題解決のためのとても大事な鍵です。


 保護者のみなさま、屋内開催の際にはぜひ「大人のカラーヒーリング」スペースへどうぞ!保護者の方々も子どもたちも「あおぞら」でスッキリしてもらえれば、何よりです。

CIMG0948


6月のあおぞらレポート〜まずは楽しんで!

前日まで降っていた雨は朝にあがり、無事に公園での開催となりました。
気温は上がりましたが、アートスペースにはゆっくりと親子が集まりました(6月15日 大倉山公園)。
この日は参加者も少なく、のんびりムードだったので、何名かのお母さんに声をかけて絵の具をさわってもらいました。

CIMG0416好きなものを描いていい、好きな色をぬっていい、描きたいように描いていいよと言うのが「あおぞら色彩楽園」での約束ですが、しかしこれはそう簡単ではありません。
大きくなるにつれて、対象物と似ていないといけない、何を描いたのかわかるものでないといけない、と思っている子どもは少なくありません。
そして、これは大人であれば、なおさらそうした想いは強くなります。
この日声をかけたお母さんたちも「好きに描いていいって難しいですね。子どもが『何描いたらいいん?』って言ったら『なんでもいい』って言っちゃうけど」と話されたお母さんもいらっしゃいました。

それでも、お子さんが好きだと言うキャラクターを描くことに取り組んだり、とにかくぬりたい色を選んで、色が広がっていくことに没頭したお母さんもおられて、最後には「楽しかった!」と笑顔を見せてくださいました。

子どもたちが自由に表現して心を解放するには、描きたいように描く、ぬりたい色をぬることはとても大切です。
しかし、誰が見てもわかる「何か」を描かないといけないと思っていると、心は解放されません。
むしろ、どんどん自分をしばってしまって、苦しくなるばかりです。
描くこと、色をぬることが楽しいと感じるのが大切な第一歩。
それにはお父さん、お母さんも絵の具やクレヨンをまずは楽しんでいただきたいと思っています。
大人も子どもも思い切りぬりたい色をぬりにきてくださいね。

5月のあおぞらレポート〜まずは絵の具を楽しんで!!

 雨が心配された5月のあおぞら色彩楽園。天に願いが届き、当日は良いお天気になりました(5月18日 大倉山公園)


 ここのところ、あおぞら色彩楽園には偶然公園い遊びに来た人たちの参加が目立ちます。

「これは何のイベントですか?」

「申し込みがいるんですか?」と興味を持ってくださる方がたくさんです。
30年以上続いている活動だと知って「30年!すぐ近くに住んでいるのに知りませんでした!」と驚かれる方もいらっしゃいます。


CIMG0274初めて参加される場合は、お父さんやお母さんがついつい、あれこれ口を出してしまいがちです。
これは、「言わないと、この子が困っちゃう」という心配からくるのでしょう。

それでも、子どもたちは思うように描いていいことがわかると、元気いっぱいです。
3歳のSちゃんも初めは緊張していましたが、次第に解放されて、4枚目の絵を描くころには驚くほどの躍動感がありました。


子どもが絵を描こうとしているとき、大人はつい絵の具や筆の使い方を指示したり、「おててにぬってペッタンしてごらん」と言ってしまうことが少なくありません。


子どもたちはまずは、好きな色をお皿に出すこと自体に楽しさを感じているし、絵の具が水に溶けたり、混ざると色が変化することに知的好奇心を刺激されています。

そんなとき、とにかく筆で線や形を描くことを急がせてしまっては、知的欲求は満たされません。

また、絵の具の使い方にしても、絵の描き方にしても、大人から言われた通りじゃなきゃいけないと思っている子どもは「次はどうするの?」と何度も聞きます。

そして、大抵の場合、あまり集中しないまま「もう絵の具やめる」と言って、他の遊びを始めます。
自分のペースで、やりたいようにやれていないからでしょう。

しかし、描き方を決めつけられずに自分でやりたいようにやっていても、なんだか楽しめないときもあります。

そんなときは心に疲労がたまっているときです。


どの子も新学期のスタートをがんばったので、6月は子どもたちに疲れが見えるときです。

ぬりたい色を思い切りぬって、絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜることも楽しんで、心に抱え込んだ疲れを外に出してもらいたいと思っています。

ギャラリー
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プロフィール

ふじいまさこざる

阪神大震災後の子どものこころのケアが色彩楽園の始まりです。当時出会った子どもたちは「こざるー!」と呼んでくれていました(^-^;